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海部俊樹元首相が死去 91歳

2022年1月14日 08時48分 (1月14日 15時37分更新)
海部俊樹元首相

海部俊樹元首相

 元首相の海部俊樹(かいふ・としき)さんが9日、都内の病院で死去した。91歳。関係者が明らかにした。名古屋市出身。既に家族で葬儀を済ませた。
 早稲田大学法学部卒。1960年の衆院選で衆院旧愛知3区で全国最年少で初当選し、以後、愛知9区などで連続当選した。官房副長官、文相などを歴任した。
 89年、当時の宇野宗佑首相の女性スキャンダルで自民党が参院選で惨敗すると、小派閥の出身ながらクリーンなイメージを持つ海部さんに白羽の矢が立ち、同年8月に第76代首相に就任した。
 初めての昭和生まれの首相で、水玉模様のネクタイがトレードマークとなった。約2年3カ月の在任中、政治不信を払拭するための政治改革に取り組んだ。また、湾岸戦争で多国籍軍の戦費として130億ドルの資金を提供したほか、91年にペルシャ湾に自衛隊の掃海艇を派遣。自衛隊初の本格的な海外派遣の道を開いた。
 しかし、衆院に小選挙区制を導入することを柱とした政治改革関連法案が審議未了・廃案となり、91年11月に総辞職の道を選んだ。
 その後は、94年12月に結党した新進党の初代党首に就任したほか、自由党、保守党、保守新党で最高顧問を務めた。2003年に保守新党の自民党合流に伴い、復党した。
 09年に衆院選で落選し、政界を引退した後も国会議事堂に近いマンション内の事務所で執務を続けていた。関係者によると、数年前に脚を痛めたほか、この数カ月は肺炎を患って体が弱り、病院にいることも多かった。

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