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【石川】千里浜 海陸から砂投入 県 浸食の志雄PA付近、8月以降

2021年5月28日 05時00分 (5月28日 09時57分更新)
海上と陸上の両方から砂を投入されることになった「のと里山海道・志雄パーキングエリア」(手前左)付近=4日、石川県宝達志水町で、本社ヘリ「まなづる」から

海上と陸上の両方から砂を投入されることになった「のと里山海道・志雄パーキングエリア」(手前左)付近=4日、石川県宝達志水町で、本社ヘリ「まなづる」から


 石川県の千里浜なぎさドライブウェイ(全長約八キロ、羽咋市−宝達志水町)で今冬の高波によって浸食が局地的に進んだ区間に、県は八月以降、海上と陸上の両方から砂を投入する。波の力を弱める人工リーフ(岩礁)の整備は今後の検討課題としている。二十七日に専門家や地元自治体でつくる「千里浜再生プロジェクト委員会」のオンライン会議で決めた。
 この区間は、のと里山海道の志雄パーキングエリア(PA)付近の五百〜六百メートル。現在は応急対策で車が安全に通行できる砂浜の幅が確保されている。さらなる対策として八〜十月に海上から約二万立方メートル、十〜十一月に陸上から約五千立方メートルの砂をまく。海上分の砂は羽咋市の滝港沖の海底、陸上分は羽咋川河口から採取する。
 志雄PA付近の浸食について、委員の由比政年・金沢大教授(海岸工学)は「昨冬の高波で砂浜の幅が減り、回復できないまま今冬の高波が重なった。昨年九月の測量で浸食の傾向があれば、予防的な対策も必要」と指摘した。
 志雄PA付近の砂浜は今年二月末には波をかぶって見えなくなり、三〜四月に緊急的に砂を投入した。通行できる砂浜を整えたが、六月十三日までは新型コロナウイルス対策のため全区間通行止めとなっている。
 県は二〇一〇年から千里浜の浸食対策に着手。宝達志水町と羽咋市の境界に近い羽咋地区の人工リーフより北側の区間は人工リーフの整備と海上からの砂投入によって回復傾向にある。南側の区間は浸食傾向にあるため対策を強める。全体をみると、一九八六〜〇九年は浸食が年平均で一メートルほどずつ進んだが、一〇〜二〇年は対策によって年平均二十センチほどずつ砂浜の幅が回復している。

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