ボンバルディア「Cシリーズ」は、高い評価を受けているものの、納入遅延や売れ行きの不振に悩まされている。
Bombardier
民間航空機の製造で世界第3位のカナダのボンバルディア(Bombardier)が、中国から新たに資金注入を受ける可能性が出てきた。
フィナンシャル・タイムズによると、中国の航空機メーカー「中国商用飛機(COMAC:Commercial Aircraft Corporation of China)」は、苦戦を続けるボンバルディアの商用航空機部門の株式、あるいは次世代旅客機「Cシリーズ」を買い取るためにボンバルディアと協議した。
「全ての交渉材料が検討された」と協議の詳細を知る関係者はフィナンシャル・タイムズに語った。
ただ、協議を行ったことは確かだが、決定事項はまだないと同紙は強調している。
過去数年間、ボンバルディアの商用航空機部門は、ボーイング737やエアバス A320シリーズと戦うために費やした、数千億ドルもの開発費の回収に苦しんできた。
ボンバルディア「Cシリーズ」は高い評価を受けているものの、納入遅延や売れ行き不振に悩まされている。現在、Cシリーズの最大の顧客はデルタ航空で、75機をカタログ価格56億ドル(約6300億円)で発注している。
しかし、結果的にボンバルディアは、過去2年間で約30億ドルの財政支援を受け入れることになった。
中国商用飛機は現在、2タイプの商用航空機を発表している。ARJ21リージョナルジェットはすでに就航しており、エアバスA320と同サイズのC919は今月、初飛行に成功した。両機は中国の商用航空機技術の粋を集めて製造されたが、ボンバルディアCシリーズに性能や技術面で遅れをとっている。
協力という意味では、両社は全く関係がないというわけではない。ボンバルディアと中国商用飛機はここ10年近く、CシリーズとC919で開発協力を行い、相乗効果を生み出そうとしてきた。
我々はボンバルディアにコメントを求めたが、まだ返答はない。
[原文: China is reportedly in talks to buy into Canada's Boeing rival]
(翻訳:忍足亜輝)