100年の歴史を持つ“生産性向上”メソッド「アイビー・リー・メソッド」とは

子どもを抱いて仕事をする男性

スケジュールを最適化することは、毎日の生産性を最大化する重要なポイント。

Shutterstock/Evgeny Atamanenko

  • アイビー・リー・メソッドは、生産性向上に役立つメソッド。100年の歴史がある。
  • このメソッドでは、毎晩寝る前に、次の日にやらなければならない重要なタスクを重要度順に6つ書き出す。
  • そして翌日、タスクに順番に1つずつ取り組んでいく。
  • このメソッドが有効なのは、「決断疲れ」を減らし、時間を節約し、目標の優先順位づけを強いるから。

スケジュールを最適化することは、毎日の生産性を最大化する重要なポイント。

特に生まれたばかりの子どもがいる両親にとっては、仕事の時間を減らすことは、家に帰って家族と過ごす時間を増やすことにつながる。

スタートアップ、Dueの創業者兼CEOジョン・ランプトン(John Rampton)は自分の非生産的な仕事習慣が、家族に多くの負担をかけていたことに気づいたと起業家向けニュースサイトEntrepreneurに記した。

彼は妻や生まれたばかりの娘が彼を最も必要としている時に、しばしば夜遅く、疲れ果てた状態で帰宅していた。

これが、100年の歴史を持つ「生産性向上ハック」と彼が呼ぶものに頼ることにした理由。オフィスにいる時間を減らし、家族と過ごす時間を増やしてくれる。

シンプルかつ効果的なアイビー・リー・メソッド

「アイビー・リー・メソッド」と呼ばれるこの戦略は、驚くほどシンプル。ランプトンは記事に以下のように記した。

「毎晩、子どもたちが寝た後に、次の日、達成したい最重要事項を5〜6個書き出す。重要度順に並び替え、朝、最も重要度が高いタスクから取り組んでいく。項目は6個までにすること」

アイビー・リー・メソッドでは、1つのタスクに集中し、最も重要度が高いタスクから順番にタスクを完了させる。完了できなかったタスクがあれば、翌日の6つのタスクに入れる。

このメソッドはどのように役立つのだろうか?

ランプトンは、以下のように記した。

「前日の夜に次の日の計画を立てておくことで、決断疲れを減らし、最も意味のある仕事のためにエネルギーを蓄えておくことができる。今日1日、何をするのかを正確に把握した状態で目覚め、朝、決断するために貴重な時間とエネルギーを浪費することはない」

100年の歴史を持つメソッド

アイビー・リー・メソッドの起源は1918年まで遡る。ベツレヘム・スチール・コーポレーション(Bethlehem Steel Corporation)の社長チャールズ・M・シュワブ(Charles M. Schwab)が、会社の効率を改善するためにコンサルタントのアイビー・リー(Ivy Lee)を雇った時だ。

リーはシュワブに自分のメソッドを無料で提供、3カ月後、結果に満足したシュワブはリーに2万5000ドルの小切手を渡したと伝えられている。現在の価値にすると、40万ドル(約4400万円)。

Atomic Habits: An Easy & Proven Way to Build Good Habits & Break Bad Ones』の著者、ジェームズ・クリア(James Clear)は、なぜこの戦略が時を超えて有効なのかを詳しく解説した。

まず、この戦略は「あなたに難しい決断を下すことを強いる」とクリアは記した。クリアは、アイビー・リー・メソッドとウォーレン・バフェットの「25:5ルール」を比べた。25:5ルールでは、25個の目標の中から、最も重要なもの5つを選び、それらが達成されるまで他の20個は無視する。

「自分自身に制限を課すことに、なにか魔法のような効果があると私は考えている」とクリアブログに記した。

「基本的に、何かに専念しなければ、あらゆることに気を取られてしまう」

そのうえアイビー・リー・メソッドは、新しいタスクを「スタートさせる際の障害を取り除く」。

前日の夜に事前に最も重要なタスクを決めておくことで、翌日、時間を無駄にすることがなくなる。そして、より生産的に取り掛かることができる。

「私は作家なので、何を書こうかと3〜4時間考え込んで、時間を無駄にすることがある。しかし前日の夜に決めれば、朝起きてすぐに書き始めることができる。シンプルだが、非常に有効」とクリア。

「まずは、始めることが続けることと同じくらい重要」


[原文:A CEO and dad uses a 100-year-old strategy to get control of his schedule in just 15 minutes each night

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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