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ディズニー株上昇、経営陣が支出見通し下方修正-決算発表後

更新日時
  • コンテンツ支出は約270億ドル見込むと暫定CFO-通常約300億ドル
  • 4-6月期利益は市場予想上回る-動画配信会員数は予想未達

ウォルト・ディズニーの株価が9日の時間外取引で一時6%余り上昇した。映画・テレビ番組向けの資本支出などが予想を下回る方向だと経営陣が明らかにした。

  ディズニーの4-6月(第3四半期)決算発表後にケビン・ランズベリー暫定最高財務責任者(CFO)は投資家との電話会見で、今年のコンテンツ支出は全体で約270億ドル(約3兆8800億円)を見込んでいると語った。通常、ディズニーの支出は約300億ドル。

  ランズベリー氏によれば、こうした節減はハリウッドでの脚本家・俳優のストライキにつながっている制作費削減の結果でもある。ディズニーは複数のプロジェクトの実施時期をずらすことから、資本支出予測も50億ドルと、従来の見通しを下方修正した。

  ディズニーの株価は通常取引後の時間外取引で当初、下げていたが、経営陣の発言を受け、一時6.1%上昇した。

ディズニー決算に関するブルームバーグの報道
Markets: The Close.”

  ウォルト・ディズニーが9日発表した4-6月決算は、利益がアナリスト予想を上回った。ただストリーミング事業の会員数は予想に届かなかった。

  4-6月期の1株利益は1.03ドルで、ブルームバーグ集計のアナリスト予想平均99セントを上回った。売上高は3.8%増の223億ドル(約3兆2000億円)で、アナリスト予想をわずかに下回った。

  予想外の結果となったのがストリーミング事業。「ディズニー+(プラス)」を含むダイレクト・トゥー・コンシューマー部門の損失は5億1200万ドルと、前年同期の10億ドル余りから縮小した。3カ月前には経営陣が7億5000万ドル強の赤字を見込んでいた。

  ボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は投資家との会見で、パスワード共有に厳しく対応すると表明した。競合相手のネットフリックスは最近のこうした取り組みで会員数を伸ばした。

  ディズニープラスの会員数は前期比7.4%減の1億4610万人にとどまり、アナリスト予想平均1億5480万人を下回った。予想未達分のほぼ全てが、アジアで展開する「ディズニープラスホットスター」によるものだった。人気があるインディアン・プレミアリーグのクリケット試合の配信権を更新しなかったことから会員の25%近くを失った。

  ディズニーは一部のストリーミングサービスの料金を最大27%引き上げることも発表した。

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  ディズニーは昨年11月にアイガー氏が経営に復帰した後、7000人の人員削減をはじめとする大規模な経費削減策に着手した。同氏は9日の発表文で、全体の経費削減は目標の55億ドルを上回る見込みだと述べた。

  4-6月期はESPNやABCを含む従来型テレビ事業の利益が23%減の18億9000万ドル。一方、テーマパーク事業の利益は11%増の24億3000万ドルに達した。

原題:Disney Rises After Hollywood Strikes Save Company $3 Billion (1)、Disney Rises After Management Cuts Capex, Spending Outlook、Disney Profit Tops Views; Streaming Subscribers Fall Short (1)(抜粋)

 

(8段落目以降にCEO発言などを追加して更新します)
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