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ネットフリックス、パスワード共有への対応が下期成長押し上げへ

訂正済み
  • 1-3月会員数は175万人増、市場予想は204万人増
  • 米視聴者のパスワード共有への対応厳格化を4-6月期に開始する
Netflix logo on computer screen and mobile phone display.

Netflix logo on computer screen and mobile phone display.

Photographer: Olivier Douliery/AFP

動画配信サービスの米ネットフリックスは他人のアカウントを共有している米視聴者に厳しく対応する措置を4-6月(第2四半期)に開始する。こうした視聴者への課金計画が下期の成長を後押しすると予測している。

  同社は中南米でアカウント共有を減らす方法を試行しており、1-3月(第1四半期)に4地域で計画を実行した。

  ネットフリックスは1億人超が料金を払わずに同社のアカウントを利用していると推定。アナリストらはこうした人たちへの課金が会員数や売り上げを大きく押し上げる材料になるとみている。同社は米国でパスワード共有への課金を1-3月期に開始する計画だった。現時点で数カ月以内に開始すると説明している。

  1-3月の決算発表を受け、ネットフリックスの株価は通常取引後の時間外取引で一時12%安となった後、下げ幅を1%安に縮小した。同社は下期に持ち直す見通しを示したほか、通期のフリーキャッシュフロー予想を35億ドル(約4700億円)に引き上げた。

  パスワード共有を厳格化したカナダでは、有料会員の顧客基盤が拡大した。ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループの調査部門Mサイエンスのシニアアナリスト、マガリー・グロスハイム氏は「カナダの業績を巡る同社のコメントは、一部で懸念されていたより良いようだ」と指摘した。 

  ただ同社は今年、低調な出足となった。18日発表した1-3月の会員数は175万人増にとどまった。市場では204万人増が見込まれていた。だが同社はパスワード共有への対応や広告付きサービス導入といった新たな取り組みを受け、「23年下期を通して成長が加速する」と予想した。

Netflix Misses Subscriber Estimates

Analysts were predicting 2.41 million new customers in the first quarter

Sources: Company reports, Bloomberg Consensus

  ネットフリックスが精彩を欠くスタートを切ったのは2年連続。2022年には会員数が上期に落ち込み、通期でも900万人弱の増加と、動画配信サービス事業をDVD郵送サービスから切り離した11年以来最も低い伸びにとどまった。

  同社は18日、DVD郵送事業を廃止すると発表し、25年間続いた創業時の事業に終止符を打った。この事業は長年、縮小が続いていた。

ネットフリックスの1-3月会員数は175万人増にとどまった
Markets: The Close.”

  会員数は、昨年約100万人減少した米国とカナダで10万人の増加にとどまった。中南米も会員数が減った。パスワード共有対策の厳格化が影響したとみられる。アジア太平洋地域は引き続き新規会員の大きな供給源となっており、インドなどでの値下げもあり146万人増えた。

  ネットフリックスは投資家に対し、会員数増加の数字にこだわるのをやめ、売上高や利益といった従来からの財務指標に注目するよう求めてきた。1-3月期はフリーキャッシュフローが20億ドル強、純利益は13億1000万ドルだった。

  同社は4-6月期について、売上高が82億4000万ドル、1株利益は2.84ドルとの見通しを示した。市場予想はそれぞれ84億7000万ドル、3.08ドル。

原題:Netflix Sees Stronger Second Half With Password Curbs (Correct)(抜粋)

(原題と原文を差し替え、デックと第6段落の会員数の市場見通しを204万人増に訂正します)
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