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スリランカ大統領、非常事態宣言数日で撤回-政治危機で辞任圧力

  • 1日に宣言発令、連立与党内でも大統領から距離置く動き顕在化
  • 政治危機が深刻化、IMFからの融資巡る合意に不透明感も
A protest against the surge in prices and shortage of fuel and other essential commodities near the parliament building in Colombo

A protest against the surge in prices and shortage of fuel and other essential commodities near the parliament building in Colombo

Photographer: ISHARA S. KODIKARA/AFP

スリランカのラジャパクサ大統領は、今月1日に発令したばかりの非常事態宣言を撤回した。政治危機の深刻化を受け、外貨不足に伴う経済混乱で不可欠となっている国際通貨基金(IMF)からの融資を巡る合意にも不透明感が増している。

  5日遅くの臨時官報によると、非常事態宣言は同日午前0時に撤回。非常事態宣言はラジャパクサ大統領に、抗議デモ参加者の拘束や財産の差し押さえなど幅広い権限を付与するものだが、同大統領の辞任を求める声が立法府で広がっている。

SRI LANKA-UNREST-ECONOMY-POLITICS
コロンボ市内の議事堂近くで行われた抗議活動(4月5日)
Photographer: Ishara S. Kodikara/AFP/Getty Images

  連立政権に参加する11政党は5日、無所属の立場で役割を果たすと表明。ラジャパクサ大統領が所属する政党の一部議員も政権から距離を置くとしており、定数225の議会で単純過半数割れとなる恐れもある。財務相など閣僚の辞任も相次ぎ、IMFからの支援獲得の鍵を握る外国の債券保有者との債務再編交渉も進めにくくなっている。

  ロイター通信がIMFのスリランカ担当ミッションチーフを務めるノザキ・マサヒロ氏の話として報じたところでは、IMFは同国の政治・経済動向を「非常に注意深く」モニターしている。新財務相がわずか1日で辞任する前に伝えられた。

  JPモルガン・チェースのデータによると、スリランカ国債の米国債に対するスプレッド(上乗せ金利)の平均は、5日に76ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大の30.06ポイント。ディストレスト債の基準とされる10ポイントを大きく上回っている。

原題:Sri Lanka Revokes Emergency With Rajapaksa Facing Calls to Quit(抜粋)

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