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台湾のTPK、JDIへの出資から撤退-オアシスが出資方針

更新日時
  • 嘉実基金管理グループは出資増額、富邦グループ系は決定めど立たず
  • 最大800億円の調達予定額に変更なし、とJディスプは説明

台湾電子部品の宸鴻光電科技(TPK)は17日、経営再建中のジャパンディスプレイへの出資を取りやめると発表した。

  Jディスプの広報担当の久保田和彦氏によれば、理由は不明。4月時点では調達予定額の一部600億円のうち、41.8%をTPKが出資する予定だった。

  発表によれば、ほかに出資予定だった2者のうち、中国ファンドの嘉実基金管理グループは出資金額を増額した上で、今月27日までに出資に必要な機関決定を行う予定。台湾の富邦グループ創業家の投資ファンドは機関決定の具体的時期のめどは立っていないという。

  また、出資予定額のうち、香港のヘッジファンドであるオアシス・マネジメントも1億5000万ドル(約160億円)の出資について27日までに機関決定を行う予定だ。Jディスプは最大800億円の調達予定額に変更はないと説明したほか、国内外の事業会社から出資の意向表明を受けているとしている。

  嘉実基金管理グループが主導する連合の「Suwaコンソーシアム」は、「ジャパンディスプレイの財務安定に向けた支援に深く関わっていく」とのコメントを発表した。現在筆頭株主のINCJ(旧産業革新機構)は、コメントを控えるとしている。

  Jディスプの株価は一時、前週末比11%安の51円まで売られた。

台中連合3者の対応

TPK:
  • 予定していた2億3000万ドル(約250億円)の出資を取りやめ
富邦グループ:
  • 1億3000万ドルの出資を予定しているが、機関決定の具体的時期のめどが立たず
嘉実基金管理グループ:
  • 出資予定額を1億9000万ドルから2億ドルに増額、27日までに内部の機関決定
  • ゼネラルマネジャーのウィンストン・リー氏は台中連合の出資確約に不足がある場合には、27日までに同グループが追加出資することについて内部の機関決定を諮る

  Jディスプは売上高の半分超を占める米アップルの業績不振を受け、主力の液晶パネル販売が低迷。2015年3月期から5期連続の最終赤字となり、自己資本比率が0.9%(昨年12月末15.1%)に低下するなど財務が悪化した。

  12日には白山工場(石川県白山市)の稼働の一時停止を決定し、今期(20年3月期)中に400-500億円の減損損失を計上する可能性があると発表。1200人の希望退職など追加リストラ策を決めた。

Views Of A Japan Display Plant Ahead Of IPO

台湾のTPKはJディスプへの出資から撤退と発表

Photographer: Kiyoshi Ota/
(台中連合3者の対応詳細などを追記します.)
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