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日本サッカーの課題に切り込む“激論番組”…「カタールはこう戦え!」フジテレビ系で11.13深夜に放送決定

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 11月13日24時35分から、フジテレビ系で『カタールはこう戦え! サッカー2050年の夢へ』を全国放送する。開幕が間近に迫るカタールワールドカップの展望に加えて、JFAが掲げる“2050年までにW杯優勝”というミッションを果たすべく、日本サッカー界全体の課題にも踏み込んだ激論番組。ゲキサカではスタジオ収録後に直撃取材を行い、出演者の熱い思いに迫った。

 番組MCを務める加藤浩次氏は収録後、取材に対して「やっぱりサッカーの話をするのは楽しいですよね」と切り出しつつ、熱く次のように語った。

「日本のテレビでもどんどんこういう番組が増えてほしいなって思いますよね。ヨーロッパではテレビでも、パブでも、当たり前にこんなことが行われているわけですから。いろんな考えがあるし、意見が違ったとしても、そうやって日本サッカーの理解度とか、サッカーを応援しようというサポーターが増えることにもつながるのかなと思います」


 ともに出演したのはJリーグチェアマンの野々村芳和氏、元日本代表FWの大久保嘉人氏、芸能界きってのサッカーマニアとして知られるローランド氏、FC岐阜の宮田博之氏を父に持つ慶應義塾大教授の宮田裕章氏の4人。サッカー業界外からの厳しい目線も踏まえつつ、さまざまな知見をぶつけ合う構図となった。

 番組収録の冒頭では加藤氏が「忌憚のない意見をお願いします。テレビ的な“このくらいかな?”はやめてください!」と発破をかけ、激論がスタート。「カタールW杯の注目ポイント」「日本代表がW杯ベスト8に入るための戦い方」といったホットな話題に加え、2050年のW杯優勝に向けて「森保監督はW杯後も続投すべきか」「日本の指導者ライセンス問題」「アジアも見据えたJリーグの未来図」といったディープな討論テーマにも切り込んでいった。

 中でも注目が集まる森保ジャパンの現状については、現役日本代表のDF酒井宏樹(浦和)も加藤氏との対談で出演。若手選手が積極的に主張しているという森保ジャパンの内側を明かすと、「マネジメントがうまくいっているのでは」(野々村氏)「逆に監督の人望が気になる」(ローランド氏)といった意見が出された。

 またMF三笘薫(ブライトン)が6月シリーズで苦言を呈した“森保ジャパンの戦術問題”にも踏み込み、サンフレッチェ広島時代に指揮官の指導を受けた森崎和幸・浩司兄弟が登場。「森保監督は戦術がない?」という世間の疑問に対し、森保流チームマネジメントを振り返りながら答えた。

 ゲキサカでは収録後、出演者4人にもインタビューを実施。番組テーマにもなっている日本サッカーの未来への思いを聞いた。

野々村芳和氏(Jリーグチェアマン)


——収録を終えていかがですか。
「楽しかったですよ。皆さんめちゃめちゃサッカー愛に溢れていて、サッカーにも詳しくて、ある意味すごく勉強になったなと。収録っぽくなかった。とにかく面白かったです」

——日本がW杯ベスト8に進むためには何が必要でしょうか。
「どこの国もそうなんですけど、まず地力があるか。そういう意味では、初めてワールドカップに出た1998年からを考えると、日本は相当地力はつけていると思います。でもどの国もそうだけど、地力だけで勝てるものではない。本当に運だったり、細かいところだったり、良い空気をどう作れるかみたいなことだと思うんですよね。その“良い空気”っていうのはグループの中の空気、チームの中の空気だけではなくて、たとえば日本国民も含めた“日本の空気感”みたいなところもすごく重要だと思うんです。多少サッカーの実力とは関係なく聞こえるかもしれないけど、そんな空気を日本全体で作ってあげられるような大会になるといいなとは思います。そのためには代表チームも多くの人に訴えかけるような何かを、大会前から、そして1戦目から残していくことがすごく大事だなと思います」

——番組内ではJリーグへの提言もありました。その点はいかがでしたか。
「ポイントは全然ズレてなくて、僕もずっと思ってたことだったんでよかったです。いろんなことを変えていかないと前には進まないと僕も思ってるから、改めて自分の中での答え合わせもできたような感じです」

大久保嘉人氏(元日本代表FW)


——収録を終えていかがですか。
「もっと言いたかったけど(笑)」

——引退後初めてのW杯で、日本代表に期待することは。
「今ですら知名度が低いサッカー界ですからね。サッカーを辞めて感じたんですけど、サッカー界は本当にちっちゃいなと。このワールドカップでグループリーグを突破できなかったり、みんなが『日本はもうダメだろう』って思うような結果になればさらに衰退するのかなと思うので、それを覆してほしいなという思いしかないですね」

——2050年のW杯優勝に向けてやっていきたいことはありますか。
「一新することですね。若い人がどんどん出てこないと、何もサッカー界は変わらない。現役の時から思ってました。いろいろ変わらないと上は絶対にストップして、自分たちを守ろうとするし、そういうのがあるからもったいないなと。そういうとこから地道に変えていくことが大事だと思います。僕も去年までJリーグでやっていましたが、その時から注目度の低さは感じていました。Jリーグの質も昔に比べてすごく下がってるなという思いもありました。その質の低下を感じなければ、まだまだ現役でチャレンジしていたと思います。そういうとこが本当に問題で、違うところから圧力をかけないといけないのかなと思います」

——その先に実現できるという思いですか。
「ちゃんとすればもっと早く行けると思います。日本の選手のレベルは年々高くなっているのに選手以外のところでレベルが全然上がってないので、それが上がっていけば、もっと早く実現できると思うんですよ。日本人選手の技術は世界のトップクラスとも同じぐらい戦えるところがあるのに、日本はどこかの国を真似をしようとしか考えていない。自分たちの独自のものを持ってない。昔だったらドイツの真似をしようっていうところで、それだとドイツ以上にはならないですよね。独自のサッカーを持って、日本というのはどういうサッカーをする国なんだっていうのを明確にしないとダメだと思うし、それは早めに気づいてやってほしいなと。そうするともっと早く優勝できると思います」

宮田裕章氏(慶應義塾大教授)


——収録を終えていかがですか。
「居合わせた皆さんのサッカーへの熱量がすごかったですね。日本代表にはもちろん勝ってほしいんですけども、何よりこの熱量を持ってみんなで応援していくことが、これからのサッカーの未来につながっていくなと思いました。僕もちょっと“ひそかに”だけじゃなくて、いろいろな人たちとつながって盛り上げていきたいなとすごく思いました」

——いまの日本代表をどう見ていますか。
「良くも悪くも、森保さんの中である種の安定した形を作ってきたというところですよね。なので、ワールドカップという短期決戦の中で、それをどういう形で研ぎ澄ましていけるのかどうか。これはドイツ戦で全て問われるところです。なので、まずはドイツ戦での姿を期待したいなと思います」

——2050年のW杯優勝に向けて、ご自身の立場からどうコミットしていきたいですか。
「いま必要なのはやっぱりJ(Jリーグ)が強くなるということですよね。いまの日本って、子供たちがサッカーを好きになって、才能のある子たちがどんどんまた次の舞台に上がっていくために、サッカー好きの人の裾野が大事だったりするので、サッカーそのものを好きになってもらうような文化をもっと広げていくことが大事です。またアジアの中でまずは輝いて、そこから世界を狙うこと。プレミアリーグの地位が上がっていったような形を日本でも起こしていかなくちゃいけないので、そういう戦略が必要だと思います。日本の中で平等なサッカー界を作るんじゃなくて、未来を見た上で、サッカーそのものをどう盛り上げていくのか。あと監督ライセンスのことでもあったり、言葉のギャップを埋めることもそうです。言語は日本において特にやっていかないと、欧州の戦術の中にも入れないんですよね。そういった日本の特徴を踏まえた上で、そこに役立てるような対話を私自身もしていきたいなというふうに思っています」

ローランド氏(実業家)


——収録を終えていかがでしたか。
「やっぱり(グループリーグの)勝敗予想で、みんなやっぱり明るい未来を信じているんだなっていうことがわかったんで、すごく嬉しかったですね。メディア的にもあんまり悲観的な意見も言えないという立場も込みですけど、実際に試合を見てたら明るい未来はあると思うんです。ブンデスリーガの仕事をよくやらせていただくんですけど、ドイツはもちろん強いチームではあるし、強い国ではあると思うんですけど、弱点も逆にゼロではないかなと。もちろんスペインもそうだと思うので、明るい未来というのは信じてますね」

——2050年にW杯で優勝するという未来についてはどう考えていますか。
「現実問題、かなり厳しい道のりにはなるとは思います。番組内でも言いましたけど、Jクラブがマネタイズをどうするかは重要ですよね。指導の質を上げるためには指導者への給与を上げることが必要ですし、給与を上げるにはやっぱりそのクラブ自体のマネタイズが必要なので。そのために僕はアジア枠の撤廃はEUに倣ってやるべきかなというのが個人的な意見としてありますね。生きている間にワールドカップで優勝する姿を見たいというのは全サッカーファンの願いでもあると思うので、50年と言わずもっと早く世界一になってほしいという思いはありますよ」

——ちなみに今の日本代表をどう見ていますか。
「日本代表は過去最強かなっていう見方をしています。相対的に周りの国もレベル上がっているのであれですけど、純粋に昔のA代表と今のA代表が紅白戦をやったら確実に過去最強だろうなと。所属クラブとかも含めてそう思っています」

——日本代表のどこに注目しながら見ていますか。
「特に普段からゲームを見てるプレーヤーというのはよく見てしまうものなので、特にブンデスリーガで活躍してる鎌田(大地)選手だったりとか、遠藤航選手、伊藤洋輝選手のプレーは特に見ていますね」

——普段からサッカーの仕事との関わりが深く、いろんな種類の番組に出られています。高校サッカー出身のローランドさんにとって、ご自身の現状についてどう思いますか。
「サッカー下手でよかったなと思いますね。プロになってたらこんなに好き勝手言えなかったと思うんで(笑)。プロになれなかったおかげで、こういうスポットライトの浴び方ができていると思いますし、プロになれなかったことはもちろん僕の人生の中で悔しい記憶でもありますけど、巡り巡ってこうやってね。ゲキサカさんの取材なんて高校時代1回もされたことなかったので、『人生何があるかわからないぞ』って(笑)。あと現実的な話をすると、サッカーをやってるたくさんの少年がいる中で、プロになれるのはほんの一握りじゃないですか。95%以上の人は違う夢を追っていく中で、その95%のロールモデルの1人に少しでもなれていたらいいなと思います。だから『人生長いし諦めんなよ』ってことは、今のサッカー少年たちに伝えたいですね」

——そんなローランドさんが2050年にW杯で日本が優勝するため、ご自身の立場からどう影響を与えていきたいですか。
「好きなことを仕事にしたくないっていうのはちょっとあるんですよね(笑)。でもいつかクラブを経営したいってのはあります。ヨーロッパの大会に出たいっていうところなので、日本のサッカーには直結しないことになってしまうと思うんですけど。また一人のインフルエンサーとして、言語化する能力はプロの選手に負けない自分の特長だと思うので、プレーをわかりやすく解説するにしても、こうやって番組に出るにしても、ライト層に伝わりやすい伝え方をしていくのは微力ながら僕のやるべきことかなと。後は願わくばお金持ちになって、協会に寄付するというところも含めてできたらいいなと思います」

——もし欧州のクラブ経営をしたら、Jクラブを子会社にする方法もありますよね。
「今はそういうロールモデルもいっぱいありますからね。DMMさんもやられていますし、非現実的ではないと思う。地道に夢に向かっていけたらいいかなと思います」


『カタールはこう戦え! サッカー2050年の夢へ』


▼放送日時
2022年11月13日(日) 24時35分~25時30分
フジテレビ系全国ネット(28局ネット)
※テレビ大分・テレビ宮崎は24時55分~25時50分

▼出演
加藤浩次氏、野々村芳和氏、大久保嘉人氏、ローランド氏、宮田裕章氏


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