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さる2月9日、第1話と第2話の先行上映イベントが開催された、2013年4月よりTV放送が開始される新番組『翠星のガルガンティア』。シリーズ構成に虚淵玄、キャラクター原案に鳴子ハナハル、アニメーション制作をProduction I.Gが担当するということもあり、非常に注目度の高い作品である。先行上映された第1話と第2話は、その期待を裏切らないクォリティであった。
今回は、本作の監督を務める村田和也氏にインタビューを敢行。『翠星のガルガンティア』の見どころや、知られざる初期企画、作品に込められたテーマなど、多岐にわたるお話をうかがった。
①『翠星のガルガンティア』企画始動前夜
――第1話、第2話を拝見させていただきました。今後の展開についても気になるところですが、まずは、本作の企画の発端をお聞かせいただけますでしょうか?
僕が参加したのは、2010年の年末からなのですが、それ以前から虚淵さんをメインライターとして、バンダイビジュアルさんと、プロダクションI.Gさん、ニトロプラスさんの3社でオリジナルのロボットアニメを作ろうという企画が動いていたんです。基本的な骨子はすでに虚淵さんが作られていて、その新しい切り口が“お仕事モノ”……仕事をする若者たちの姿を描いていこうというものでした。その段階で、僕のところに監督の依頼があったので、世界観やキャラクターなど、おおまかなイメージについてはすでにある程度固まっていたんです。
そして、企画に目を通した時に、「水の惑星を舞台にしたい」という内容に大きく興味をひかれました。というのも、僕自身がかねてより温めてきたアイディアとして、「水の惑星に船が寄り集まった船団があり、人々がそこで暮らしている」というものがあったんです。これは今回の企画にピッタリだなと思い、イメージスケッチなどをお見せしたところ、企画メンバーの皆さんに気に入っていただけ、当初企画にはなかった船団というモチーフが重要な位置づけとなりました。そして、虚淵さんが船団を舞台にして企画を再構築してくださったんです。主人公のレドが宇宙から来た少年である、という設定もこの再構築の際に決定しました。初期の企画とはかなり別の形になっているんですよ。
――すでに用意されていた、初期の企画とはどのようなものだったのでしょうか?
地球ではない、新たに発見された惑星に入植した人々が、そこで超古代文明の遺産を見つけ、それをサルベージしていく……というものだったんです。そして、遺産を誰が最初にサルベージできるか、というのを人々がショーとして楽しんでいる、というような世界観でした。星々を移動はするけれど、宇宙戦争をお話に絡めるというような要素はありませんでしたね。
②ドキュメンタリーから生み出された、“船団”というアイディア
――では、村田監督がかねてより温めていたという船団のアイディアは、どこから生まれたものなのでしょうか?
メコン河だかアマゾン河だかちょっと忘れたのですが、ある河を取り上げたドキュメンタリーを見たことが大きなきっかけですね。その川では、移民を載せた船が、航行しているんです。船にはいろいろな人が乗っており、船の中でずっと生活している人がいたり、商売をしている人もいたりして、船がひとつの社会を構築しているんです。もちろん、船が岸に寄った際に、乗り降りする人たちもいる。特に面白いなあと思ったのは、岸辺で暮らす物売りの少年たちが、移民船が近づくと自分たちの小舟で移民船に近づき、ロープを引っかけて接舷して、岸辺から持ってきた品物で商売を始めるんです。船と船がくっついて、人や物がやりとりされるんですね。
それともうひとつ、カンボジアのトンレサップ湖に、水上生活集落があるんですが、ここでは船の上に住宅を建てて、そこで人々が生活しているんです。学校や病院も浮いてるんですよ。雨季や乾季で湖の様子は変わりますから、魚が多く棲息しているところを求めたりして、湖の上を引越ししたりもするんです。街そのものが水の上にあって移動が可能である、というところにワクワクするものを感じたんですよね。水の上という不安な状況の上で暮らしていくという一種の冒険に対するドキドキ感を作品の中で表現できないだろうか、と考えたんです。僕自身は動くことが面倒に思いがちなタイプなんですが、逆に、だからこそ惹かれるものがあるのかもしれませんね。
本作は、船団を舞台とすることで、常に物語の舞台が移動していく、ある種ロードムービー(股旅もの)の要素を持たせています。また、このような舞台を用意しておくことで、「なんでも起こせる」ようにしています。本編はストーリーラインがすでに決定していますが、そこから離れた外伝的ストーリーを、視聴者の皆さんが想像して楽しんでいただけるようにしました。「こんな世界だったら、こんなことが起きるんじゃないか」「あんな船団もあるんじゃないか」と、作品世界で想像を膨らませてもらえるような、可能性の広がりを作品の味わいのひとつにしたかったんです。ガルガンティア以外にも船団はありますし、必ずしもある船団の専属でなければいけないというわけでもないので、船ごと離れて、よその船団にくっついちゃうこともできるんです。バラバラの船が寄り集まって新たな船団ができる、なんてことも考えられますね。船の住人の引っ越しもできる、という流動的な社会にしたかったんです。
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・その2 レドの戸惑いとパートナーとしてのロボット・チェインバー
©オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会
『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その1)~企画始動秘話と船団というアイデア~ #Anime_News http://t.co/aqfKBfTI74
『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その1)~企画始動秘話と船団というアイデア~ #Anime_News http://t.co/ySb5Bf2sI5 お仕事系アニメだったのね
@MMM37 何期やるのか調べようと思ったらインタビュー発見したので貼っておきますね。お仕事もの…? http://t.co/wL1fvORhAF
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ここまで監督のアイディアだったのなら、どうしてあれだけ船団の描写とかそこにいる人たちの演出が淡白だったのか?というのはやっぱり疑問だよなあ。 / “『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その1)~企画始動秘話と船…” http://t.co/kEhexDXnaI
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『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その1)~企画始動秘話と船団というアイデア~:東京アニメニュース http://t.co/aydZ7YPuap 監督は普通のロボットアニメに対して、「戦うことだけがかっこよさではない」と語ってますね。水と生活についても注目。
http://t.co/sPRS8tLkOP あとで使うぞー
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遺産発掘の企画に船団というアイディアが加わった、と / “『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その1)~企画始動秘話と船団というアイデア~ | トーキョーアニメニュース – TOKYO ANIME NEWS” http://t.co/13IVkiE0MI
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@pendulumknock 企画段階で働く青少年を意識していたとhttp://t.co/P2AakbB9fVありますのでその設定を引きずっているのではないでしょうか。
RT @tanami_t: @pendulumknock 企画段階で働く青少年を意識していたとhttp://t.co/P2AakbB9fVありますのでその設定を引きずっているのではないでしょうか。