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定例市長会見 平成23年2月9日開催
作成日:2011年02月09日
更新日:2011年02月09日
市長報告・発表案件
1.平成23年度予算について
平成23年度予算の編成が終わりましたのでご報告させていただきます。
今回の予算編成につきましては、23年度が財政健全化計画の最終年度になりますことから、計画の目標に掲げる累積赤字の解消と将来に渡る収支均衡への道筋をつけることを念頭に、新年度予算編成に取り組んでまいりました。
累積赤字の解消という面では目標年度を前倒しして、22年度決算において実質収支の黒字化が現実的なものとなり、財政調整基金の積み立てができる見通しとなりました。半世紀以上に渡って叶わなかった財政調整基金の積み立ては、本市財政において画期的なことであり、財政構造の抜本的な改善並びに財政規律の確保に向けた第一歩を踏み出すことができたと考えております。
23年度予算の編成にあたりましては、国の予算編成において、子ども手当など、様々な問題が取り沙汰される一方で、財源不足に対応するため、独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が持つ利益剰余金などを活用するとともに、国債発行額を前年並みの44兆円とするなど、大変厳しい予算編成となっております。
財政運営戦略として、今後3年間、歳出の大枠を71兆円以下にするという中期財政フレームが示されましたが、社会保障関係経費の自然増が見込まれる中、具体的な対策が示されていない現状においては、今後の地方財政への影響を危惧するところであり、動向について注視しておかなければならないと考えております。
このような中、示されました地方財政対策におきましては、地域主権改革に沿った財源の充実を図るとし、地方交付税総額が5,000億円増額され、地方の一般財源総額は前年同程度が確保されております。
これを織り込んで策定した本市の23年度一般会計の予算規模は533億5,000万円、対前年度比8億3,000万円の増となりました。この増の主な要因としましては、3歳未満の子ども手当が2万円に増額されたことのほか、地域経済情勢を反映して、生活保護などの扶助費が大きく伸びたことが大きな要因となっております。
歳入面におきましては、市税収入において法人市民税が昨年の落ち込みから一部持ち直しが見受けられるなど、前年を上回る予算計上としております。
一方、地方交付税は地方財政対策による増額が行われたものの、22年10月実施の国勢調査によって人口が大幅に減少し、算定上の基礎数値が大きく下がりますことから、普通交付税並びに臨時財政対策債が減少するよう見込んでおります。
しかしながら、予算編成方針にも掲げておりましたが、将来に向けたまちづくりの手はゆるめることなく、総合計画後期基本計画に掲げる施策を確実に実施していかなければなりません。
具体的には、地域が一体となって進めてきました有明海沿岸道路が一昨年、供用開始となり、間もなく、九州新幹線新大牟田駅が開業します。
これらの都市基盤の整備は、本市の活性化にとっても大きなチャンスであり、様々な分野のまちづくりに生かしていく必要があります。
今回、九州新幹線の開業を契機に、これまでの様々な分野のまちづくりの取り組みと合わせ、定住促進の強化策として、新たに市外からの転入の促進を目的とした事業を23年度より実施したいと考えております。
その一つは、「定住促進転入者住宅新築奨励金交付事業」です。概して申しますと「大牟田に新築、転入で100万円」という事業です。合わせて、地域経済の活性化と若い世代の転入を促進するものです。
もう一つは、「新幹線利用促進対策事業」です。大牟田市に転入し、大牟田より新幹線で通勤、通学する方を対象とし、定期代金の自己負担に1万円の補助を行うというものです。
いずれも平成23年度から25年度までの3年間の事業としており、働く場の確保や、子育て環境や高齢者の生活環境の向上など、定住環境の整備に関する取り組みと一体的に展開していくこととしております。
この様な定住促進策のほか、23年度予算として、世界遺産本登録に向け、関連施設を含めた整備を行うとともに、これらを地域活性化に活かすためのプランを策定してまいります。
更には、企業誘致による雇用の確保、中心市街地の活性化、子育て支援、地域コミュニティ形成に向けた支援についても取り組んでいくこととしており、本市が抱える課題に対応した積極的な予算とすることができたのではないかと考えております。
2.九州新幹線 新大牟田駅開業記念イベントについて
いよいよ、3月12日に控えました、「九州新幹線鹿児島ルートの全線開通」に伴う、新大牟田駅の開業に合わせまして、九州新幹線全線開業記念イベント大牟田市実行委員会で検討してまいりました開業イベントの概要について、ご報告いたします。
開業イベントの日時につきましては、開業日であります3月12日土曜日と翌日13日日曜日の2日間で開催いたす予定です。
今回のイベントのコンセプトといたしましては、九州新幹線鹿児島ルートの全線開通及び新大牟田駅の開業をお祝いし、また、これを契機といたしまして、本市の食文化や伝統芸能、本市にゆかりのあるミュージシャンの方々のミニコンサートなど、「大牟田」にこだわったイベントとし、本市が持っている地域資源を市民の皆様に再認識していただくとともに、市内外の方々に広くPRを図ることを目的に開催いたすものです。
イベントの概要といたしましては、大きく四つの柱で構成いたしており、それぞれのゾーンで開催することとしております。
一つ目は菓子をはじめとした「食文化ゾーン」、二つ目は大蛇山などの「伝統芸能ゾーン」、三つ目は近代化産業遺産群や広域観光等の「情報発信ゾーン」、四つ目は市民をはじめ本市にゆかりのある方々を中心とした「ステージアトラクションゾーン」の四つのゾーンとなっております。
まず、「食文化ゾーン」といたしまして、新幹線開業を契機として開発された、お土産品などの物産品や農作物などの展示即売、本市のB級グルメとも言える「お好み焼き」を広く発信していきたいと考え、現在、観光協会のB級グルメ委員会並びにありあけ新世高等学校のてっぱん部等の協力を得ながら、市内のお好み焼き屋さんに集まっていただき、本市のかすてら饅頭をはじめとした菓子文化、ありあけ新世高等学校の調査で九州で人口比においてお好み焼きやさんが、一番多いという特色などを、この機に積極的に売り出していきたいと考えております。
次に、本市の歴史や、伝統芸能を紹介する「伝統文化ゾーン」です。
まず、本市のシンボルともいえる大蛇山が新駅にやってきます。昨年本市の文化財に指定された三池藩大蛇山と三池祇園宮の大蛇山の二山が鎮座する予定です。また、同じく本市の文化財である岡天満宮の「ぜんでこ踊りとひゅうたん廻(まわ)し」の披露、それに刀匠四郎國光氏による公開鍛錬などを予定いたしております。
次に「情報発信ゾーン」です。
「情報発信ゾーン」につきましては、広域的な観光情報の発信や、特に世界遺産を目指す本市近代化産業遺産群のパネル展示を行い、広く情報発信し、世界遺産登録に向けた気運づくりに拍車をかけてまいりたいと考えております。
最後に、「ステージアトラクションゾーン」につきましては、市内幼稚園児から高校生、それに本市出身のプロのアーティスト等による地元にこだわったステージ構成を考えているところです。
メイン司会といたしましても、本市出身のロックアーティストであり、ディスクジョッキーとしても有名なインフィックスの長友仍世(ながともじょうせい)さんにお願いし、ステージも努めていただく予定です。
また、新大牟田駅の一日駅長としまして、団遙香(だんはるか)さんと、上内小学校の角倉諒亮(すみくらりょうすけ)さん、吉野小学校の境舞佳(さかいまいか)さんの3名に努めていただきます。
団遙香さんは、100年前に大牟田の礎を築いた、団琢磨翁の玄孫(やしゃご・孫の孫)、日本を代表するクラシック音楽の作曲家であり、エッセイストとしてもその活躍が知られます、団伊玖磨(だんいくま)氏の孫に当たられます。
団遙香さん自身につきましても、モデルやタレントとして、テレビドラマやコカコーラのCMなどでご活躍されております。
その他、ウルトラマンランドのウルトラマンティガによる握手会、ふれあい動物園、ミニSLなど、子供たちも喜べる多彩なイベントを計画いたしております。
九州新幹線の開業に合わせ、市民のみならず多くの方々に大牟田の魅力を発信すると共に、ご来場頂いた方々に楽しんで頂けるようなイベントにしたいと考えておりますので、たくさんの方々に是非お越し頂きたいと思います。
3.團琢磨顕彰有志会からの寄贈について
来月12日に全線開通します九州新幹線新大牟田駅周辺におきまして、現在駅前広場や公共駐車場等の工事を進めているところでございます。
この新しい玄関口であります新大牟田駅西口駅前広場に、先月18日に設立発表されました「團琢磨顕彰有志会」(会長:観光協会 白石会長)より團琢磨翁の石像を建立し、市に寄贈したい旨の申し入れが先月31日にありました。
寄贈される團琢磨像は、台座の高さ2m、像の高さ5.3m、合わせて7.3mの石像で、御影石(みかげいし)で作られるものです。製作あたりましては、原型を日展作家の彫刻家である喜多敏勝(きたとしかつ)氏が製作し、監修には團琢磨翁の孫に当たられます国際日本語普及協会理事長の西尾珪子(にしおけいこ)氏と、同じくひ孫に当たられます大学教授の團名保紀(だんなおき)氏、日本を代表する建築家の團紀彦(だんのりひこ)氏が携られていると聞いております。
今回の寄贈に至る経緯につきまして白石会長にお尋ねしましたところ、『昨年の秋に新幹線全線開通が3月12日であるという発表を聞き、その頃から全線開通に合わせ何か大牟田市を印象付けることは出来ないかと考え始められたそうです。また、昨年4月に上映されました映画「信さん」に続き、大牟田を舞台にしたNHK福岡放送局開局80周年記念ドラマ「見知らぬわが町」が制作されるなどの動きがある中、市長も近代化遺産を世界遺産にという強い意志を持ってあるということで、「團琢磨顕彰有志会」の設立趣意にあるように、今日の大牟田の礎を築いた團琢磨翁を顕彰するといった意味から、團琢磨像の全身像を創ろうではないか・・・』と、このような運びになったと聞いております。
私としましても、貴重な近代化遺産が多く存在する大牟田を広く知っていただき、今後の近代化遺産を活かしたまちづくりを進めるため、また、顕彰有志会の設立趣意と同様に百年先の大牟田のまちを見据え、今日の大牟田の礎を築かれた團琢磨翁の精神を市民が自ら受け継ぐきっかけになると思い、今回の寄贈についてお受けしたいと考えております。
4.平成21年度納税成績優良市町村表彰について
平成23年2月1日、納税成績優良市町村県知事表彰を受賞し、福岡県庁において特別表彰団体としての表彰状の贈呈を受けました。
この表彰は、徴収率の高い県内の自治体を表彰するもので、今回は、市税全体の徴収率の優良なものとして納税成績優良団体を6市町、特に住民税の徴収成績優良な特別表彰団体として2市町が受賞しました。
本市におきましては、平成7年から平成22年までの16年間のうち計12回の表彰を受けており、今回で13回目となりました。
このように継続して高い徴収率 平成21年度98.47パーセントを維持できていますのは、担当職員の日々の努力はもちろんのこと、市民の皆様の納税意識の高さの賜物であると存じております。
税収は、まちづくりを進めて行くために必要な貴重な自主財源であり、そのことを市民の皆様が十分ご理解いただいていることの現れであり、納税に努めていただいた市民の皆様には大変感謝申し上げます。
しかし、一方では近年の景気低迷によって、市県民税の収入未済額が次第に増加してきておりますので、今後は滞納の未然防止に重点を置き、税務署、県税事務所など関係機関との連携協力を更に強化し、公平公正を基本に、市民の皆様のご理解と信頼を得ながら収入未済額の縮減に取り組んでまいる所存でございますので、市民の皆様には、一層のご協力を賜りますようお願いいたします。
記者クラブからの質問
1.第50回おおむた「大蛇山」まつりの運営について
第50回のおおむた「大蛇山」まつり運営についてのご質問についてお答えいたします。
おおむた「大蛇山」まつりにつきましては、私が会長を務めております、おおむた「大蛇山」まつり振興会にて運営いたしておりますが、運営資金が厳しいとの状況を踏まえての質問であると理解いたしております。
おおむた「大蛇山」まつりは本市最大のイベントでありますことから、その経費につきましては、市からの補助金や、市民・企業からの浄財、それに特にTシャツの販売益によるところが大でございます。
そのTシャツの販売が、第48回、第49回と二年続きで予定を大きく下回る販売実績となっております。
例年一万枚を超える販売実績がございましたが、この2年間は8千5百枚程度の販売実績となり、販売益が減少してきたこと、また、事業所の撤退や、厳しい経済状況による企業協賛金が年々減少していますことから、単年度で赤字決算となったことで、予備費として蓄えてきた財源をほぼ使い切るなど、運営状況が厳しいことは事実です。
しかしながら、おおむた「大蛇山」まつりは、市民の誇りであり、来年度は記念すべき50周年という節目のまつりとなります。節目のまつりとして、記念事業費等に対する補助金としまして、23年度は、560万円を別途予算計上し、通常の補助金440万円と合わせて、1,000万円の補助の予算措置を指示しております。
この記念事業費560万円につきましては、昨年末に「寿海運」より、本市へご寄付いただきました5,000万円の一部を活用する予定でございます。
来年度のまつりにつきましては、財源の確保は当然のことながら、参加していただくすべての皆様が安心して参加していただける安全なまつりとするため、大牟田警察署をはじめとした各種関係機関のご協力を仰ぎながら、市民の皆様と一体となって、第50回という記念するおおむた「大蛇山」まつりを成功裏に開催してまいりたいと考えております。
そのためにも、市長として、また、おおむた「大蛇山」まつり振興会会長として、反省すべきことは反省し、見直すべきものは見直し、育成すべきものはさらに育成するなど、今後につなげられるようなまつりとして、新たな財源の確保も含めまつり運営に努める必要があるものと考えております。
第50回も単なる通過点であります。これからも市民の誇れるまつりとして、また、末永く継承すべきまつりであると考えております。