ダイキン工業はYouTubeにチャンネル「DAIKIN2010」を設けて、販売店向け販促支援ビデオを配信
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YouTube・Googleの機能として、ダイキンは閲覧者の住所や年齢などの属性を把握し、関心度を測ることができる
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 空調機大手のダイキン工業は、2010年5月から家電量販店など販売店向けにルームエアコン製品の特徴を説明するビデオをユーチューブ(YouTube)に掲載して、好評を得ている。7話に分けてユーチューブで配信したところ、一般消費者向けには積極的に告知していないにもかかわらず、8月中旬で再生回数は延べ6万回を超えた。企業が動画配信を一般消費者向けの広告や販促キャンペーンに使うことは多いが、販売店向けの販促活動に活用した事例は珍しい。

量販店チャネルの苦手を克服へ

 ダイキンは家庭市場向けにルームエアコン「うるるとさらら」を製造・販売している。国内市場でパナソニックなどとシェア1位を競っているが、販売チャネルは系列販売店・工務店が過半を占め、家電量販店は苦手にしていた。売価20万円前後の高価格帯で強い一方、価格競争の激しい家電量販店の店頭では消費者への訴求が弱かった。

 そんななか、例年は販売促進のために100ページほどの販促マニュアル冊子(セールスノート)に加えて、製品の特徴を解説するDVDビデオも制作・配布していた。しかし家電量販店に時間を取ってビデオを見てもらうことが難しかったという。

 さらに、2009年から始まった「エコポイント制度」がダイキンにとっては“逆風”になった。「低価格機でも高価格機でも同じポイントが付くエコポイント制度は当社にとって不利。量販店では隅に追いやられがちだった」(空調営業本部事業戦略室の酒井茂孝販促・ソリューション提案担当課長)。政府「グリーン家電普及促進事業 エコポイント」のウェブサイトによれば、エコポイントのポイント数は「冷房能力3.6kW以上の場合9000点」など、価格にかかわらず冷房能力によって一律に決められている。