スーダン、民政移管まで3年 軍と市民組織が基本合意
バシル前大統領の政権が軍事クーデターで崩壊したアフリカのスーダンで15日、軍が組織した暫定軍事評議会と民主化を求める大規模デモを主導してきた市民組織との間で、民政移管まで3年の移行期間を設ける基本合意が成立した。ロイター通信などが報じた。
移行期間中に国を統治する機関として、暫定軍事評議会に代わる「最高評議会」を新設する。この期間中の暫定議会は定数300のうち3分の2を市民側に配分し、残りはほかの政治組織に振り分ける。暫定軍事評議会のアタ中将は15日の会見で「24時間以内の最終合意を目指す」と語った。
スーダンではバシル氏の長期政権が強権統治を続けていたが、2018年12月にパンが大幅に値上げされると、これをきっかけに大規模な政府への抗議デモが首都ハルツームなどで起きた。
バシル氏が大統領から退かなければ抑制が難しいと判断した軍は4月、クーデターを実行した。軍は当面、暫定統治を続ける構えをみせたが、市民側は早期の民政移管を求め、ハルツームの国防省前で座り込んでいた。
スーダンの司法当局はすでにバシル氏をデモ参加者の殺害に関与した容疑などで訴追したもようだ。AFP通信は18年12月以降の一連の騒乱で少なくとも65人が死亡したと伝えた。同氏を巡っては自宅で多額の現金が押収され、マネーロンダリング(資金洗浄)の疑いでも捜査が進んでいる。