自民党の政治資金パーティーの裏金疑惑をめぐり、安倍派の10人以上の議員がノルマを超えた収入を派閥に納めず、“中抜き”を行っていたことがわかりました。一方、小泉法務大臣は強制捜査を受けた二階派を退会しましたが、派閥の退会だけでは「何の役にも立たない」と話すのは、元法務大臣の小川敏夫氏。検察への「指揮権」が悪用されるという懸念を抱かれること自体が問題だと指摘します。

また新たな疑惑…安倍派議員の10人以上が“中抜き”か

安倍派の議員を交代させても岸田内閣は落ち着きを取り戻せずにいます。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、20日、また新たな疑惑が。過去5年間で、安倍派所属の10人以上の国会議員側がノルマを超えた収入を派閥に納めない、いわゆる“中抜き”を行い、手元で金を管理していたことが関係者への取材でわかりました。

これらの収入は、議員側の収支報告書には記載されず、“中抜き”の額が100万円を超える議員も複数いるということです。

かつて安倍派の国会議員を支援し、パーティー券を売った経験がある男性は…

安倍派議員の元後援会員
「(ノルマ超過分を)保管しておいて、自分の政治活動に使う。全部売れたものを全部送金すると、記録に残ってしまう。口座に入れなければ、それでポスターや名刺を印刷したり、秘書の給料を支払ったり」

“中抜き”した額を合わせると、安倍派の裏金の総額は、これまでわかっている約5億円より増えることになります。

「今派閥辞めても何の役にも立たない」

一方、二階派をめぐり新たな動きが…

二階派を退会 小泉龍司 法務大臣
「国民の誤解を招くことがないよう、政策集団志帥会(二階派)を退会したい、離脱したいとの考えを二階会長に伝えまして、了承いただきました」

小泉法務大臣は所属していた二階派を退会したと明らかにしました。

「Q.派閥を退会したら国民の誤解は生まれないと考えているのか」

二階派を退会 小泉龍司 法務大臣
「誤解を招かないように今回、退会という行動をとったわけで、しっかりとその思いをまっすぐに職務を果たしていくと。それが私のあるべき姿だというふうに政治家として確信しているわけです」

小泉氏は大臣を辞める考えはないと明言しましたが、野党側は検察に対する指揮権を持っている法務大臣の職にふさわしくないと辞任を求めています。

今派閥を辞めて、意味はあるのでしょうか?

元法務大臣 小川敏夫 弁護士
「今から(派閥を)やめたって何の役にも立たないんじゃないですか。そういう行為が行われていた(疑いがある)時にいたことが大事なので」

小川氏は民主党政権で法務大臣だった当時、検事が虚偽の捜査報告書を作成した問題をめぐり、「指揮権」の発動を検討したと明かしています。