ウクライナの前大統領ポロシェンコ氏がロシアによる侵攻後、日本のメディアでは初めて単独インタビューに応じました。ポロシェンコ氏は大統領としてプーチン氏と交渉してきた経験から、「プーチン氏には罠がある」と言います。どういう意味か、詳しく聞きました。

小川彩佳キャスター
「この大変な状況のなかお時間をいただきありがとうございます」


ポロシェンコ前大統領
「日本がウクライナに大きな関心を寄せてくれて光栄です」


ウクライナの前大統領ポロシェンコ氏。2014年ロシアがクリミア半島を一方的に併合した後大統領になった人物です。

ロシアにとって脅威となるNATO加盟に向けた動きを推し進めるなど、対ロ強硬派として知られていました。


そのポロシェンコ氏がきょう、ロシアによるウクライナ侵攻後、日本のメディアでは初めてnews23の取材に応じました。

小川キャスター
「プーチン大統領と交渉した前大統領から見て、いまの彼の状況や考えをどう見ますか?あなたが口にする“プーチンの罠”とは何ですか?」


プロシェンコ前大統領
「プーチンがウクライナを攻撃した理由を説明できる人はいません。彼はクレイジーな行動を取ります。私は5年もプーチンと交渉し、重大な結論に至ったので忠告します。1つ目はプーチンを信用してはいけません。プーチンとは停戦、人質の解放、軍の撤退など多くの約束をしましたが、プーチンが約束を守ることはありません」


自身の経験から、プーチン氏との交渉では、約束が果たされない“プーチンの罠”があり、「信用してはいけない」と訴えるポロシェンコ氏。その上で・・・

ポロシェンコ前大統領
「プーチンを恐れないでほしい。彼は私たちが許した分だけ攻め入ってきます。武器を援助してほしいです。(ウクライナが)反撃をやめればウクライナはなくなる。ロシアが攻撃をやめれば平和が訪れる、いたってシンプルです」


2019年の大統領選で敗れた後、ゼレンスキー氏に対し「ロシアに対して弱腰だ」と批判してきたポロシェンコ氏。

インタビューでは「政敵」として対立してきたゼレンスキー氏とも、共闘してプーチン氏に対抗する考えを明らかにしました。


小川キャスター
「侵攻開始以降ゼレンスキー氏と話をしましたか?」


ポロシェンコ前大統領
「何度か話しました。最善を尽くしますよ。大統領には何通か文書も送り、すべきことを助言しました。(助言した)大部分がすでに実行されています。私たちは、団結しなければなりません。敵は、プーチン1人です」

最後に、日本へのメッセージとして彼が発したのは・・・

ポロシェンコ前大統領
「私たちには危険でクレイジーな隣人が1人います。きょう、彼は私たちのドアをノックしウクライナ人を殺しています。プーチンが明日どのドアをノックするのか誰にも分かりません。それは日本かも知れません」