パドレスの大補強。3日間に6件のトレードを成立させ、10人を獲得。捕手は2人を入れ替え
サンディエゴ・パドレスが、今夏のトレード市場を席巻した。8月29日~31日の3日間に6件のトレードを成立させ、計16人を手放し、計10人を手に入れた(放出も獲得も、PTBNL=後日指名選手を含む)。
なかでも、最も大きな補強は、クリーブランド・インディアンズから獲得した、先発投手のマイク・クレベンジャーだろう。過去3シーズンとも、防御率は3.20未満。今シーズンも、4先発で防御率3.18を記録している。
インディアンズは、シカゴ・ホワイトソックスと地区首位を争っている。その上、クレベンジャーがFAになるのは、2022年のオフだ。通常であれば、このタイミングでの放出はあり得ない。けれども、8月上旬のシカゴ遠征中、クレベンジャーとザック・プリーサックの2人は、新型コロナウイルス感染防止のプロトコルに反し、ホテルを抜け出して食事に出かけた。インディアンズがクレベンジャーを手放したのは、この件が理由だと思われる。プリーサックの外出が発覚した直後のミーティングで、クレベンジャーは自分も一緒だったことを黙っていた。インディアンズとしては、この点を重く見て、クレベンジャーだけを放出したのだろう。先発投手を2人も同時に放出するわけにはいかない、という事情もあったのかもしれない。クレベンジャーよりもプリーサックの方が若く、FAになるまでの期間も長い。
また、パドレスは、ブルペンに2人のクローザーを加えた。今シーズン、トレバー・ローゼンタールはカンザスシティ・ロイヤルズで7セーブを挙げ、テイラー・ウィリアムズはシアトル・マリナーズで6セーブを記録している。どちらも、セーブ失敗は一度もない。
そして、彼らとバッテリーを組む捕手は、メンバーを入れ替えた。8月半ばにフランシスコ・メヒーヤが故障者リストに入った後、スタメンマスクを分け合っていたオースティン・ヘッジスとルイス・トレーンスをいずれも放出し、ジェイソン・カストロとオースティン・ノラを獲得した。
流動的だったDHには、ミッチ・モアランドを加えた。こちらも、DHとして5試合以上に先発出場していた4人のなかから、タイ・フランスとジョシュ・ネイラーの2人を放出している。
これらの補強により、14年ぶりのポストシーズン進出に向けて、陣容は整った。それだけでなく、22年ぶりのワールドシリーズや球団初のワールドシリーズ優勝も、パドレスは視野に入れているはずだ。
なお、パドレスは8月上旬に、アトランタ・ブレーブスからヨンダー・アロンゾも獲得している(金銭トレード)。ただ、同じ左打ちの一塁手、モアランドが加わったことで、アロンゾが昇格して義弟のマニー・マチャド――マチャドの妻はアロンゾの妹――とともにプレーする可能性は、さらに低くなった。