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エンジェルスの店じまい。大谷翔平に続き、トラウトも手術を受けてシーズン終了

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とマイク・トラウト Aug 27, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月15日、ロサンゼルス・エンジェルスは、大谷翔平に続き、マイク・トラウトも手術を受け、シーズンを終えることを発表した。トラウトは右足の故障により、9月8日以降の試合を欠場していた。エンジェルスは9月10日に完封され、この黒星により、それまでも絶望的だったポストシーズン進出が、完全に消滅した。

 また、オレンジ・カウンティ・レジスターのジェフ・フレッチャーによると、エンジェルスは9月11日に、8月下旬から故障者リストに入っているキャム・ベドロージアンを、今シーズンは復帰させないことにしたという。この前日に右膝を痛めたジャスティン・アップトンも、9月14日にシーズン終了が決まった。

 セットアッパーのベドロージアンはともかく、トラウト、大谷、アップトンの3人は、来シーズン、エンジェルスを浮上させるのに欠かせない選手だ。今シーズン、トラウトが45本のホームランを打ったのに対し、大谷とアップトンは20本に届かなかったが、健康であれば、彼らは「30本塁打トリオ」を形成することができる。他の面でも、チームの力となる。早めのシーズン終了は、来シーズンを見据えてのことだ。

 トレードされない限り、彼らはあと3シーズン、チームメイトとしてプレーする。今年3月、トラウトは12年4億2650万ドルの延長契約を交わした。大谷がFAになるのは、2023年のシーズン終了後だ。アップトンが持っている5年1億600万ドルの契約は、2022年まで続く。トラウトとアップトンの契約には、どちらも全球団に対するトレード拒否権がついている。

 ただ、トラウトは28歳、大谷は25歳だが、アップトンは32歳だ。2016年から続いていたシーズン30本塁打以上が途切れたのは、長期欠場が理由とはいえ、いつ下降線をたどり始めてもおかしくない。シーズンを通し、彼らが打線の中軸トリオとして機能するのは、2020年が最初で最後ということもあり得る。

 なお、エンジェルスでトラウトに次ぐ31本塁打のコール・カルフーンは、今シーズンが3年2600万ドルの最終年だ。来シーズンは1400万ドルの球団オプションだが、エンジェルスが行使するかどうかは不透明。100万ドルを払って破棄する可能性の方が高そうだ。外野には、トラウトとアップトンの他にブライアン・グッドウィンがいて、トップ・プロスペクトのジョー・アデルもAAAまで来ている。また、エンジェルスは、先発投手を必要としている。カルフーンを残留させるよりも、そちらに資金を回すべきだろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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