テレビ朝日は22日、金曜19時台に放送されている長寿アニメ『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』を、10月から土曜夕方に枠移動することを発表した。後番組は発表されていないが、他局の改編も含めゴールデン帯(19~22時)にアニメの新番組が編成されないと、民放キー局のゴールデンタイムから、アニメのレギュラー枠が消滅することになる。

  • ドラえもん(『ドラえもん』/左)と野原しんのすけ(『クレヨンしんちゃん』)=テレビ朝日提供

テレ朝は、10月から土曜夕方に「アニメタイム」を新設し、16時30分から『クレヨンしんちゃん』、17時から『ドラえもん』を編成。『ドラえもん』は、枠移動に合わせて10月5日から番組内容を新装し、新オープニングと新コーナーの導入が予定されている。

一方の『クレヨンしんちゃん』は、10月14日からAbemaTVとビデオパスで、野原家の愛犬・シロがスーパーヒーローとなって世界を救うスピンオフアニメ『SUPER SHIRO』の配信もスタートする。

また、9月6日・13日は、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』それぞれの「お引越し記念スぺシャル」を金曜夜に2週連続で放送。9月6日は『お引越し記念!ドラえもん誕生日スペシャル』(19:00~20:54 ※一部地域除く)、同13日は『クレヨンしんちゃん せぷてんばー引っ越せばースペシャル』(19:00~19:54)を放送する。

少子化が進む近年は、アニメ番組の世帯視聴率が低迷し、民放キー局はゴールデンタイムから相次いで撤退。テレビ東京が、昨年の10月改編で『ポケットモンスター サン&ムーン』『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』を木曜19時台から日曜夕方に枠移動しており、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』は最後の砦となっていた。

しかし、かつて最高視聴率31.2%(83年2月11日)を記録した『ドラえもん』の通常放送の直近5回平均の世帯視聴率は6.5%、『クレヨンしんちゃん』も6.6%(以上、ビデオリサーチ調べ・関東地区)と低迷。長らく日曜のゴールデンタイムで独走していた日本テレビの牙城を、『ナニコレ珍百景』『ポツンと一軒家』で崩したテレ朝としては、“聖域”である金曜も改編し、視聴率上昇を図る狙いがあるとみられる。

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