米コロラド州アラパホ盆地のヴィア・フェラータを登っていく人。山頂は標高4000メートルに達する。（Photograph courtesy Ian Zinner, Arapahoe Basin Ski Area）

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　ロッキー山脈分水嶺の絶景を味わうには、北米で最も高い場所にある「鉄の道」をほぼ垂直に登っていかなければならない。ヴィア・フェラータ（イタリア語で「鉄の道」）は、はしごやワイヤーロープなどが整備された登山コースのこと。ここアラパホ盆地にあるヴィア・フェラータは、ロッキー山脈の花崗岩の崖のふもとから頂上まで、約365メートルを登るルートだ。

　眼下には、乾燥した岩肌に緑が点在するコロラドの風景が広がり、崖から落ちた大小の岩で、天然のロックガーデンができあがっている。薄い空気に、時折マーモットやナキウサギの甲高い声がこだまする。

　ロッククライミングの経験がない人でも、ガイドと一緒にこの崖を登ることができる。鉄のはしごや岩の割れ目に足を押し込んで体を引き上げる。数百メートル下に落ちれば確実に死ぬので、そんなことにならないように、ケーブルにハーネスを取り付け、登りながら次のケーブルに付け替えていかなければならない。ルートはむき出しなので、突然激しい雷雨に襲われることもある。

　高地に生息するシロイワヤギが上の崖から冷静に観察していることも多いが、登山者が山頂に到達したときには姿を消している。ここからの下りは、ヴィア・フェラータが初めての人にとって最も恐ろしい部分かもしれない。初めて経験したマイケル・ライトル氏は言う。「ずっと下は見ないようにしましょう。高速道路がまるで糸のように見えます。恐怖が現実味を帯びますよ」

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ロンドン
（PHOTOGRAPH BY DAN KITWOOD, GETTY IMAGES）

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