ET-KING|こういう状況やからこそ歌える歌がある!いときん闘病中のグループを支えるメンバー5人の今

ライブを観たマキシマム ザ ホルモンが「自分らせこいわー!」って

──その曲をひっさげて、まもなく全国7カ所を回るツアー「えびす巡業~出稼ぎ編~」がスタートします。年末に熱いライブを届けに行く感じですね。

コシバKEN 去年は西日本ツアーをやったんで、今年は仙台を皮切りに始めます。仙台は楽天Koboスタジアム宮城で東北楽天イーグルスの試合前に2年連続で歌わせていただく機会があったけど、やっと今回ワンマンで行けるタイミングになりました。本当はメンバー全員がよかったんですけど、やれることを一生懸命やろうと思います。

──ツアーファイナルとなる12月28日の大阪公演はバンドスタイルでのライブになるんですね。

コシバKEN いときんが充電期間中に加入したOSAKA ROOTSというブルースバンドと一緒にやらせてもらいます。今年、ガガガSPさん主催の「長田大行進曲2017」にも一緒に出させてもらったんですけど、新しいET-KINGを観てもらえるのもいいかなと。今回「えびす巡業」ということで、お祭り感覚でいきたいと思っているし、僕らのパフォーマンスとOSAKA ROOTSのブルース感がどう融合するかが楽しみでもあるし。OSAKA ROOTSのドラムはローリー(アダムジョンソン)っていう黒人さんなんですけど、ローリーがはっぴ着て出てくるだけでおもろいなと思っていて(笑)。衣装も凝りたいし、視覚的にも楽しんでもらえるライブにしたいですね。

ET-KING

コシバKEN 「長田大行進曲2017」でひさびさにマキシマム ザ ホルモンと一緒になったんですけど、ホルモン全員袖で観てくれてたんです。バンドスタイルでやるのを観てもらうのは初めてで。

センコウ ライブ終わって袖にはけた瞬間「自分らせこいわー! 黒人のドラマー使うたらあかんわー。でも、めっちゃよかった」って言ってくれました(笑)。

コシバKEN ただでさえ人数多いのに、さらに増えたから圧がすごいんです。OSAKA ROOTSは演奏スキルがすごいから。僕ら気持ちよく歌わせてもらって。なので生音のよさと、今までET-KINGがやってきたものを融合させる感じで、年末のファイナルはまた特別なものになるんではないかなと思ってます。

ファンクマスター・フレックスとRage Against The Machine

──ET-KINGの音楽は歌ものもあれば、ヒップホップあり、レゲエあり、すごく多様ですよね。皆さんそれぞれの音楽的ルーツについて伺いたいのですが、まずはDJ BOOBYさんから。どんな音楽に影響を受けてこられたんですか?

DJ BOOBY

DJ BOOBY 僕はもともと地元の友達とか先輩と一緒にターンテーブルをいじるようになったのが音楽を始めたきっかけです。最初に好きになったのがファンクマスター・フレックス。あの人のミックスCDを聴いて、なんじゃこりゃと思って。

──「The Mix Tape」「60 MINUTES OF FUNK」シリーズで知られるニューヨークのDJですね。

DJ BOOBY 彼のクラブイベントにDJ KAORIさん(ファンクマスター・フレックス率いるBig Dowg Pitbullsで唯一の女性DJ)が出ていた時代の音源を聴いて勉強してました。それからDJ HASEBEさんの教則ビデオとか観ながら、2枚使いはこうやってやるんやっていうのを感覚で覚えてました。なので、ほぼ自己流っちゃ自己流ですね。僕らの世代の音楽って、いろんなジャンルが入り乱れてて。全部ポップスやと思ってたから、スチャダラパーがヒップホップやと思ってなかったんです。今聴いたら小沢健二さんとの「今夜はブギー・バック」も、もろサンプリング使うてるなとわかるんですけど。たぶんET-KINGのメンバーみんな、それぞれ特化したジャンルへのこだわりはないと思うんです。いいものはいいっていうだけで。

──センコウさんはいかがですか? 

センコウ 僕はなんでも聴いてました。高校生の頃はバンド組んで、Rage Against The Machineとか聴いてミクスチャーに興味を持って。KLUTCHに出会って日本のレゲエを知って。それからクラブに行くようになって日本のヒップホップに触れたら、日本語でラップやるのっておもしれえなって。そもそも僕はET-KINGをお客さんとして観に行ってた側だったので、俺もやりてえって飛び込んだ感じですね。

──Rage Against The Machineがルーツだったんですね。

コシバKEN TM NETWORKじゃなかったの?

センコウ それは中学のとき(笑)。小室さんがひさびさに安室ちゃんに書いた新曲(11月発売ベストアルバム「Finally」に収録の「How do you feel now?」)もよかったです。

音楽はそんなに興味持っては聴かないです

──BUCCIさんは?

BUCCI  僕は昔から音楽、あんまり興味なかったんです。何を聴いてきたとか全然なくて。ただ、初めて買ったCDはCHAGE and ASKAの「TREE」(1991年発売)でした。

──「SAY YES」「BIG TREE」が入った大ヒットアルバムですね。

BUCCI  あとはあんまり覚えてないですね。何聴いてきたかっていうのは。

BUCCI

──ET-KINGで活動していこうと思った一番大きなきっかけは何だったんですか?

BUCCI  趣味も目的もなく毎日過ごしてたとき、いときんに誘われて。「じゃあ、やってみようか?」みたいな軽い気持ちでフラフラと飛び込みました。

センコウ いや、いときんに「ありがとう」やで? ほんま。

BUCCI  拾ってくれてよかったです(笑)。

──今はどんな音楽を聴いてるんですか?

BUCCI  いや、それが今も聴かないんです。聴いてるのはET-KINGの曲ですね。新曲ができたら、めっちゃ聴いてます。どんな歌詞を付けようとか考えながら。ほかの人の曲は、耳には入るけど、そんなに興味持っては聴かないですね。

──理想的ですね。自分たちの曲がベストであると。

BUCCI  でも、「もっとほかの人の曲聴いて勉強しろ」って言われます(笑)。

センコウ 家が近所やったとき、BUCCIと週イチぐらいで飲んでたんです。そういうときに俺が一方的に「この曲よくない?」みたいな話はしてました。

BUCCI  酒飲んでるから覚えてない……。

コシバKEN 忘れんな!(笑)

──じゃあ、ET-KINGの曲以外は無の状態で、お客さんに向けてすべてを表現して。

BUCCI  それだけですね。一生懸命歌ってメッセージを伝えよう、伝わったらいいなという気持ちでステージに立ってます。

ET-KING「こっちこい」
2017年11月22日配信開始
「こっちこい」
収録曲
  1. こっちこい
    [作詞:ET-KING / 作曲:NAOKI-T、ET-KING]

ツアー情報

全国ツアー「えびす巡業~出稼ぎ篇~」
  • 2017年12月14日(木) 宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2017年12月15日(金)神奈川県 CLUB CITTA'
  • 2017年12月22日(金)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2017年12月24日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2017年12月25日(月)福岡県 ももちパレス 大ホール
  • 2017年12月26日(火)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール 第2ホール
  • 2017年12月28日(木)大阪府 Zepp Namba(SOLD OUT)
    (※大阪公演はOSAKA ROOTSを迎えてのバンド編成で実施)
ET-KING(イーティーキング)
ET-KING
1999年に大阪で結成。5MC+1DJ+1総合司会という異色のメンバー構成で、大阪は通天閣のすぐ近く大国町を拠点に共同生活をしながら活動をスタートさせた。ストレートな言葉と力強いメッセージを武器に、レゲエ、ヒップホップ、テクノ、ロック、歌謡曲、ときには演歌までも取り入れたオリジナルなサウンドを展開。また、はっぴを身にまとい「お祭り」をテーマに繰り広げられるエネルギッシュなライブは、笑いあり涙ありで、聴覚だけでなく視覚でも観客を楽しませる。2007年にシングル「愛しい人へ」とアルバム「LOVE&SOUL」のヒットでブレイク。結成15周年を目前に控えた2014年に全国ツアー「ET-KING 結成15周年記念全国ツアー ~おまえとおったらおもろいわ!~」を開催し、ツアーファイナルを持って“充電期間”と称した活動休止期間に入ることを発表した。同年9月にメンバーのTENNが死去。2015年7月にメンバー6人で活動を再開し、2016年2月に活動再開後初のアルバム「Ideologie」を発売した。2017年8月にリーダー・いときんが肺腺がんの治療に専念するためライブ活動を一時休止することをアナウンス。11月に新曲「こっちこい」を配信リリースした。