(25)~4年の足跡~ 小宮カズミ「僕が満さんに感じたことをみんなに感じてほしい」

2018.12.13

〝個の強い世代〟と言われる4年生。本企画では紫紺を目指し戦った彼らの足跡をたどっていく。第8回は、アメリカ人と日本人のハーフで、高校1年の夏まではアメリカで暮らしていた小宮カズミ(文4=目黒学院)。ラグビー一つに絞り「明治に来たことがターニングポイント」という彼がどう成長したのか伺った。

 

――ここまでの試合を振り返っていかがですか。

「春にAチームで出場していて良い感じスタートを切れたのですが、膝のケガをしてしまって休むことになって、一から始まる立場になってしまいました。層も厚かったので上のチームになかなか上がれなくて、夏合宿くらいからやっと上でできるようになって安定してきたかなと思います。僕はフィジカルの部分で証明しないといけないので、フィジカルキャラをもっとチームの中で色濃く出さないといけないと思っています。勝ちたい意欲というのも日に日に強くなりますし、優勝しかないと思っています。4年生の立場やチームを引っ張る意思を全力で出していきたいです」

 

――ケガが多いイメージです。

「ケガとの戦いはすごくつらいです。体はいつもどこかが痛いので、そこの戦いも明治に入ってからたくさん悩んできました。痛みに負けないように毎日練習の時から気持ちを作って、一試合でも多く出場できることを目指してケガと付き合ってきました。やっと万全の状態で戦えている気がします。準備のところでしっかりやらないとまたケガをしてしまうので人一倍やっています。最後に向けてどんどん調子が上がってきているので、しっかり維持していきたいです」

 

――4年間で印象に残っている試合を教えてください。

「大事な試合に出場した時は毎回印象に残ります。もちろん勝てば楽しい思い出として残りますが、負けてもその悔しさが残るのでラグビーをやっているなという感じがして悪くないです。あと必ず毎回天理大戦は記憶に残ります。天理大は留学生のチームに思われがちですが、日本人の意識が一人一人高いです。フィジカルファイトの働き、泥臭いことや嫌なことをやってくるチームです。毎回試合で学ぶことは多いです。今年は春の天理大戦でケガをして、夏の天理大戦で復活したのでそういった意味でも特に印象に残っています(笑)。選手権で天理大と対戦することがあるかもしれないので、春夏に学ばせていただいたことをぶつけられればと思っています」

 

――2年生2人がAチームのロックとして活躍しています。

「2人ともとてもいい選手です。片倉(康瑛・法2=明大中野)はセットプレーが安定していますし、箸本(龍雅・商2=東福岡)はフィールドプレーで結果を残しています。強い堅いプレーをしていると思います。2人で出ている時はバランスをうまくとっているので良いコンビだと思います。僕のタイプは2人の間で、セットプレーも悪くはないけど、フィジカルでも勝負できるプレーヤーだと思っています。ただ片倉と箸本のバランスは良いですし、そこに入っていかなければレギュラーになれないです。僕のプレーが片寄るわけではないですが、どちらかのプレーに絞って練習することも大事なのかなとも思っています。ただ4年生の立場としての気持ちも含めて僕らしさを出していきたいです」

 

――小宮選手にとって〝Exceed〟とは何ですか。

「去年の4番の満さん(古川満選手・平30商卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)を超えることです。僕はキャプテンではないですし、あそこまでのリーダーシップはないです。ただ満さんがフィールドに出た時の引っ張り具合、プレーで証明した姿というのはチームを奮い立たせてくれました。僕のプレーを見て僕が満さんに感じたことを、みんなに感じてほしいです。そこにはまだ到達できていませんが、そういうことができる選手になりたいです。そのためにまずはレギュラーを取ることが目標です」

 

――ありがとうございました。

 

[鈴木貴裕]

 

◆小宮 カズミ(こみや・かずみ)文4 目黒学院高 186センチ・104キロ

明るい性格で笑顔が絶えないムードメーカー。寮での仕事は「英語教師です。みんなに英語を教えてあげないと。みんな英語苦手だから(笑)」。