第16回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)が23日発表され、岩明均さんの「ヒストリエ」(講談社)がマンガ大賞を受賞した。また、マンガ文化の発展に寄与した人物・団体に与えられる特別賞には、仙台市の塩川書店五橋(いつつばし)店が東日本大震災直後、回し読み用に提供した「あの少年ジャンプ」が選ばれた。授賞式は5月25日に東京・築地の浜離宮朝日小ホールで開催される。
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ヒストリエは、「寄生獣」の岩明さんがアフタヌーン(講談社)で03年から連載している人気マンガ。紀元前の古代オリエント世界を舞台に、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いている。10年には文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で大賞を受賞している。
特別賞の「あの少年ジャンプ」はマンガの持つ力に対して賞が贈られており、賞金100万円は塩川書店を通じて大震災出版復興基金に寄付される。同基金は被災地の読書環境の復興を中長期にわたって支援するため、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版クラブの出版3団体で構成する(大震災)出版対策本部が創設した。
新しい才能を示した作品に与えられる新生賞には、伊藤悠さんの「シュトヘル」(小学館)が選ばれた。舞台は、「大ハン」率いるモンゴル族が版図を拡大している13世紀の中央アジア。大ハンがタングート族の国「西夏」の書物を焼き尽くそうとする中、少年・ユルールは西夏の文字に魅了され、「シュトヘル」(悪霊)と恐れられる西夏の女戦士と、文字盤を守ろうと身内に背く……というストーリー。
短編賞には、30代のサラリーマン・岩間宗達が酒を飲む姿を描いたラズウェル細木さんの「酒のほそ道」(日本文芸社)が選ばれた。(毎日新聞デジタル)
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