Q 郵便番号はどうやって決めるの?(宮城県名取市、小5、池崎啓吾さん)
鉄道輸送のなごり 東京起点まず西へ
A 郵便はがきの上の方には、郵便番号を書き込むための四角い枠が七つあります。毎日新聞東京本社の郵便番号は「100-8051」です。大阪本社は「530-8251」、東京や大阪より北の東北地方にある山形支局は「990-0044」なので、北から順番に付けていったわけではないようです。どうやって決めたのか、日本郵便の担当者に話を聞きました。
日本で郵便番号の制度が始まったのは、1968年7月1日からです。この日は郵便番号記念日にもなっています。当時は、今と違って3ケタもしくは5ケタでした。7ケタになったのは、98年2月2日からです。
郵便番号制度を始めるきっかけは、はがきなどの郵便物が増えて、人手が足りなくなったのと、一つ一つ手作業でやっていた郵便物を区分けする作業を機械で自動化するためです。当時の新聞を開いてみると「早い! 1秒に6通 自動区分機が動き出す」という見出しが躍っています。ちなみに、約50年たった現在の自動区分機の性能は当時の2倍程度だそうです。
まず、頭の2ケタを全国に割り振りました。郵便物の輸送は当時、今のトラックとは違って鉄道が中心でした。そのため、首都の東京都(10~20)をスタートして、関東地方から東海道線や中央線沿いに西に番号が振られています。鹿児島県は「89」。当時、アメリカに統治されていた沖縄県のために残した「90」は、72年の本土復帰後に使われました。
西の端までいくと、今度は東に戻って北陸地方の福井県が「91」となって北上し、山形県が「99」、北隣の秋田県が「01」、北海道は「00」と「04~09」と決まりました。
7ケタにはすべて意味があります。全国の配達エリアは約3100の郵便局が担当し、そのうち郵便物の扱いが多い約800局を郵便番号の上3ケタ、比較的少ない約2300局を上5ケタで表しています。上3ケタの局は残りの4ケタ、上5ケタの局は残りの2ケタで、市区町村にある町や字といった町域を表します。
そのため、郵便番号を正確に記入すれば、たとえ市区町村名を書かなくても、無事に相手先へ届きます。【石塚孝志】<え・内山大助>