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沖縄知事選2022

辺野古移設の行方を左右する沖縄知事選は9月11日投開票。復帰50年の政治決戦を通して、沖縄の今を伝えます。

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自民への逆風で失速、論戦の前に足元崩れ 沖縄知事選・佐喜真氏

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玉城デニー氏の当選確実が報じられ、厳しい表情を浮かべる佐喜真淳氏=那覇市で2022年9月11日午後8時3分、平川義之撮影
玉城デニー氏の当選確実が報じられ、厳しい表情を浮かべる佐喜真淳氏=那覇市で2022年9月11日午後8時3分、平川義之撮影

 沖縄県知事選の告示を3日後に控えた8月22日夕、那覇市の野球場で佐喜真淳(さきまあつし)氏(58)の総決起大会が開かれた。推薦する自民、公明両党の幹部が東京から駆けつけ、陣営発表で1万人が参加。だが、肝心の佐喜真氏の演説が始まる前に席を立つ人が相次いだ。

 「『今の知事が悪い』と言うけれど、(1人当たりの)県民所得はずっと全国最下位。その状況をつくったのは自民党の皆さんですよ」。上司の指示で参加したという60代の建設会社員はそう言って家路を急いだ。佐喜真氏の苦戦を象徴するような光景だった。

 11日の知事選。重要選挙が続く沖縄の選挙イヤーの「天王山」は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に反対する現職の玉城(たまき)デニー氏(62)が佐喜真氏に6万4923票差をつけ、再選を果たした。

 「玉城氏が勝ったというより佐喜真氏が負けた。あれもこれも逆風で、タイミングが最悪だった」。一夜明け、公明関係者は吐き捨てるように言った。選挙戦の最中に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民議員との関係が次々と判明。内閣支持率が急落した。佐喜真氏も旧統一教会関連のイベントへの参加が明らかになり、陣営には支援者らから批判の電話が相次いだ。選対幹部は「ボディーブローのように効いた」と嘆く。

 陣営は新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した経済状況を「県政危機」と強調し、…

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