献体積み重ね、一つの棺に2体 不適切管理に遺族「物じゃない」
毎日新聞
2022/8/20 15:30(最終更新 8/21 08:17)
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「大切な家族を物のように扱われた」。島根大医学部(島根県出雲市)で、献体をずさん管理していた実態が明らかとなった。2017~21年度に提供を受けた50体について、必要な防腐処置を怠ったため、一部は本来の目的だった実習での全身解剖ができなくなった。提供者の厚意と尊厳をないがしろにするような扱いに、遺族の怒りは収まらない。
問題は、大学が22年4月に公表した。発覚のきっかけは3月10日、解剖学講座の教授と教員の計2人が実習室で準備をしていた時だった。台の上で白い布をかぶせられた献体が着衣のままだったため、不審に思って確認したところ、防腐処置が施されていないことが分かった。他の部屋を見て回ると、保存室や冷蔵室からも未処置の献体が次々と見つかった。
弁護士らによる外部調査委員会の調査で、ずさんな取り扱いが、常態化していたことが判明した。献体は受け入れ後、速やかにホルマリ…
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