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JR博多駅で9年前まで販売されていた駅弁「博多名物かしわめし」が復活した。廃業した博多鉄道構内営業(屋号・寿軒)からのれんを引き継いだ広島市の会社が新会社「博多寿改良軒」を設立し、昨年末から製造を始めている。九州産親鶏を使った伝統的な手法で、博多のソウルフードの継承を担う。
寿軒は1896(明治29)年に創業。1日の乗降客が400人ほどだった当時の博多駅の駅長から駅弁がないと不便だと相談され、駅周辺で運送業を営んでいた初代社長が駅弁事業に乗り出したのが始まりだった。当初はおにぎりにごま塩をかけ、たくわんを添えて竹皮に包んだ簡素なものだった。大正時代に入って駅弁事業を本格化させ、「かしわめし」も戦前から販売していたとみられる。
しかし、新幹線導入などで乗車時間が短縮された上、コンビニエンスストアが駅構内に進出したことなどで全国的に駅弁業者が衰退した。日本鉄道構内営業中央会(東京)によると、ピーク時の1970年ごろに全国で約430社あった駅弁業者は2018年には約90社まで減少。寿軒も10年に114年間続いたのれんを下ろした。
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