米・イスラエル、「イラン核保有認めず」 共同宣言に署名

米・イスラエル、「イラン核保有認めず」 共同宣言に署名
中東を歴訪しているバイデン米大統領(写真中央)は14日、最初の訪問国イスラエルでラピド首相と会談し、イランによる核兵器保有を認めないとする共同宣言に署名した。(2022年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[エルサレム 14日 ロイター] - 中東を歴訪しているバイデン米大統領は14日、最初の訪問国イスラエルでラピド首相と会談し、イランによる核兵器保有を認めないとする共同宣言に署名した。
バイデン氏が大統領としてイスラエルを訪問するのは今回が初めて。共同宣言署名後の共同記者会見で「われわれはイランによる核兵器の保有を決して認めない」と表明。イランによる核兵器保有を阻止することは「イスラエルと米国、さらに世界全体にとって安全保障上の重要な利益になる」と述べた。
ラピド氏もイランによる核兵器保有を阻止することは紛争回避につながるとの考えを示した上で、「イランの核武装を阻止する唯一の方法は、自由世界が武力を行使するとイランが認識することだ」と述べた。
「エルサレム宣言」の一部となる今回の共同宣言で、米国はイスラエルの地域的な軍事的優位と自衛力に対する支持を再確認。「この誓約に不可欠なのは、イランに決して核兵器を保有させないという確約であり、これを確実にするために国力のあらゆる要素を用いる用意があることを米国は強調する」とした。
宣言はこのほか、レーザー迎撃などの防衛プロジェクトのほか、民生技術の分野での協力を確約。米国が将来的にイスラエルに防衛費を供与することに前向きであることも盛り込まれた。
一方、イランのライシ大統領は14日、「偉大なるイランは、地域のいかなる不安定性や危機も受け入れない。米国およびその同盟国は、いかなる過ちもイランから遺憾ながらも厳しい対応を受けることを認識すべきだ」と述べた。
バイデン氏はネタニヤフ元首相とも会談したほか、ヘルツォグ大統領からイスラエル大統領名誉勲章を授与され、イスラエルの安全保障に対する米国の「断固としたコミットメント」を改めて表明した。
イラン核合意を巡る協議については再開を推し進めてきたが、イランの対応次第だとし「われわれは永遠に待つつもりはない」と語った。
バイデン氏は15日にはサウジアラビアを訪問する。サウジもイランとの間で独自の問題を抱えており、バイデン氏は今回の中東歴訪でサウジとイスラエルの国交正常化も後押ししたい考えだ。
バイデン氏は「イスラエルが地域に完全に統合されること」がいかに重要であるかについてラピド氏と議論したと明らかにした。
ラピド氏は、バイデン氏のサウジ訪問は「イスラエルにとって極めて重要」と応じた。

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