スペイン議会が暫定首相信任、連立政権発足へ

スペイン議会が暫定首相信任、連立政権発足へ
 1月7日、スペイン議会は7日、サンチェス暫定首相の信任投票を可決した。マドリードで撮影(2020年 ロイター)
[マドリード 7日 ロイター] - スペイン議会は7日、サンチェス暫定首相の信任投票を可決した。これによりサンチェス氏が率いる社会労働党と新興左派政党ウニーダス・ポデモスの連立政権が発足し、1年近く続いた政治空白に終止符が打たれる。
連立政権はスペインが1970年代終盤の民政復帰以降で初めて。今後は保守系の前政権の下で承認された労働市場改革の撤回や、高所得層および企業への課税強化に乗り出したい構えだ。
ただ社会労働党とポデモスの合計議席は議会定数350のうち155にとどまる。また社会労働党が信任投票成立に向けた政治的な働き掛けの一環として、カタルーニャ独立を掲げる政党と「取引」したことが右派勢力の反発を招き、議会の分断が強まっていることで、法案の採決などに影響を及ぼしそうだ。
サンチェス氏の信任投票は、賛成167で反対が165とわずか2票差だった。鍵を握ったのが18の棄権票で、この中にはカタルーニャ共和左派(ERC)の議員が含まれている。ERCは、サンチェス氏がカタルーニャの将来に関する対話を行い、結論をカタルーニャの有権者に委ねることに応じたことから、棄権に回った。
このため議会では右派がサンチェス氏をスペインの裏切り者呼ばわりして激しく非難し、審議が一時中断する場面もあった。
それでもサンチェス氏は「われわれはいら立ちや緊張の雰囲気を克服し、合意のための場所を取り戻せると信じている」と強調した。

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