イラン原発近郊の地震で37人死亡、壊滅状態の村も

イラン南西部でM6.3の地震、32人死亡・原発に被害なし
4月9日、イラン南西部ブシェール近郊で、マグニチュード(M)6.3の地震が発生し、少なくとも32人が死亡、850人が負傷した(2013年 ロイター/Mehr News Agency)
[ドバイ 9日 ロイター] イラン南西部ブシェール近郊で9日、マグニチュード(M)6.3の地震が発生し、少なくとも37人が死亡、850人が負傷した。2つの村が壊滅したほか、家屋倒壊などの被害が出ている。イラン学生通信(ISNA)などが報じた。
ブシェールには2011年9月に稼働を始めた同国唯一の原子力発電所があるが、イラン当局者や原発の建設に関わったロシアの企業によると、地震による被害は出ていない。
国際原子力機関(IAEA)は声明で、イランから「ブシェール原発に被害はなく、放射能漏れも確認されていない」との通知があったことを明らかにした。
ブシェール州の知事は、メヘル通信に対し「揺れが強かったために被害は深刻化しており、多数の家屋が倒壊した。死者は37人、負傷者は850人に上っている」と説明。同州農村部では泥れんが造りの家屋が多く、知事によると約700棟が崩壊したという。
イランメディアは、被災地では地滑りで建物が崩壊する被害も出ており、水や電気の供給も切断されていると報道。軍や警察部隊も被災地に派遣され、赤新月社は20人ががれきの下などから救助されたとしている。
米地質調査所(USGS)によると、震源地はブシェール港の南東約89キロの地点。今回の地震は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでも揺れが観測された。
イランは1986年のチェルノブイリ事故を受けて発効した原子力安全条約に批准していない唯一の原発保有国。イラン政府は、地震が頻発する地域に建てられたブシェール原発について、安全性の懸念はないと繰り返し主張している。
*内容を追加して再送します。

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