最低賃金、2030年代半ばまでに1500円目指す 岸田首相が表明

現状、中国との会談決まってない=国際会議出席で岸田首相
 岸田文雄首相は5日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連と20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に出発する前、原発処理水放出や日本水産物の輸入全面停止を巡る中国側との会談の可能性について「現状、中国との対面の会談は決まってはいない状況にある」と述べた。写真は官邸で8月撮影(2023年 ロイター/Rodrigo Reyes Marin)
[東京 31日 ロイター] - 岸田文雄首相は31日、新しい資本主義実現会議であいさつし、2030年代半ばまでに最低賃金額が全国加重平均で1500円になることを目指すと述べた。地方で賃上げが可能になるよう、新たな経済対策で中堅・中小企業の投資促進策を強化すると表明した。
この日の会議では、賃金や投資を含む成長と分配の好循環の進め方を議論した。
岸田首相は、エネルギー・食料品価格が高騰する中で内需主導の経済成長を実現していくには、賃上げが当たり前となる経済、投資促進がカギになると指摘。今年の賃上げ率は30年ぶりの高水準となり、最低賃金改定額も目標の1000円超えを達成したが、「最低賃金についてはさらに着実に引き上げを行っていく必要がある」と述べた。
賃上げに向けて中小・小規模企業を支援するため、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、業務改善助成金について直ちに要件を緩和すると表明。国内投資の促進につながるような税制も検討するとした。
厚生労働省は18日、2023年度の時給の最低賃金額が全国加重平均で1004円となったと発表した。前年度からの引き上げ額43円は過去最高になるとともに、初めて1000円の大台を超えた。
(杉山健太郎)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab