ジョンソン英外相が辞任、首相の柔軟路線に反対 EU離脱案の行方混迷

ジョンソン英外相が辞任=首相府
7月9日、英国のジョンソン外相が辞任した。前日にはデービス欧州連合(EU)離脱担当相が辞任したばかり。英首相府は電子メールで「9日午後、メイ首相はボリス・ジョンソン外相の辞表を受理した。後任は近く発表される。首相はジョンソン氏の功績に謝意を示した」と明らかにした。写真は3日、主要官邸入りするジョンソン氏(2018年 ロイター/Simon Dawson
[ロンドン 9日 ロイター] - 英国のジョンソン外相が9日、欧州連合(EU)離脱案を巡りメイ首相が目指す柔軟路線に反対して辞任した。前日にはデービスEU離脱担当相も同様の理由で辞任したばかりで、強硬派2閣僚の相次ぐ辞任により、ブレグジット(英国のEU離脱)の行方は一層混迷が深まった格好だ。
英首相府は声明で「9日午後、メイ首相はボリス・ジョンソン外相の辞表を受理した。後任は近く発表される。首相はジョンソン氏の功績に謝意を示した」と明らかにした。
ジョンソン氏辞任のニュースを受け、ポンドは下落。対ドルでは0.2%安の1.3259ドル近辺で推移した。
メイ首相は6日、別荘で行われたEU離脱に関する非公式の閣僚会議を開催。8時間にわたる討議を経て、自らの提案について内閣の合意を取り付けたはずだった。それだけに、関係2閣僚の相次ぐ辞任はメイ氏にとって大きな痛手となる。
デービス氏は辞任後、メイ氏のEU離脱案について「EU側にあまりにも安易に妥協するもので、危険極まりない」と批判した。
デービス氏、ジョンソン氏の相次ぐ辞任で、与党内の強硬派は今後一段と勢い付く可能性がある。党内ではEUと決別するという公約をメイ氏が反故にしたとの批判が根強く、メイ氏はこれまで模索してきた柔軟路線継続の是非を迫られる。
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