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韓国人の「暮らしの満足度」38カ国中36位…児童虐待や独居老人が増加

登録:2023-02-21 03:38 修正:2023-02-21 08:14
自殺率10万人当たり26人…20代と70代で急増 
3人に1人「危機状況で助けを求める場がない」
クリップアートコリア提供//ハンギョレ新聞社

 韓国人の「暮らしの満足度」が経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中で最下位圏にあることが分かった。自殺率が上がっているうえ、危機の際に助けを求められる場がないという人の割合も急増していた。独居老人の割合が増えており、児童虐待被害経験率も大幅に上昇していた。

 統計庁が20日に公開した「国民の暮らしの質2022報告書」によれば、2021年の韓国人の暮らしに対する満足度は6.3点(10点満点)で、1年前と比べて0.3点上昇。しかし、月所得100万ウォン(約10万3000円)未満の低所得層では暮らしの満足度が5.5点で、平均(6.3点)より0.8点も低かった。

 他国と比較すると、韓国の暮らしの満足度は最下位圏だった。国連傘下の諮問機関「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」の「世界幸福度報告書2022」によると、韓国人の暮らしの満足度は5.9点(2019~2021年平均)で、OECD加盟国平均(6.7点)よりかなり低かった。韓国より暮らしの満足度が低い国はトルコ(4.7点)とコロンビア(5.8点)のみだった。

 暮らしの満足度と高い相関関係がある自殺率と余暇生活の満足度は悪化している。2021年の自殺率は10万人当たり26.0人で、前年より0.3人増加していた。特に20代と70代で急激に増えていた。10万人当たりの自殺率は、20代では2020年の21.7人から2021年には23.5人へと、70代は38.8人から41.8人へと増加していた。

 2021年の余暇生活の満足度は27%で、2019年(28.8%)に比べ1.8ポイント低下。10代は47.9%が余暇生活に満足しているのに対し、60代以上では18.8%に過ぎないなど、年齢が高いほど余暇生活の満足度が低かった。

 65歳以上の高齢者に占める1人暮らしの高齢者の割合を意味する独居老人率も、毎年高まっている。2022年の独居老人率は20.8%で、前年より0.2%ポイント上昇していた。

 国民の3人に1人が身体的・精神的危機に陥った時に助けを求められる場所がないと答えるなど、「社会的孤立度」も悪化していた。2021年の社会的孤立度は34.1%で、2019年(27.7%)から6.4ポイント上昇。社会的孤立度は2013年の32.9%から小幅の低下を示してきたが、コロナ禍を経て急上昇した。

 児童虐待被害経験率は、2021年は児童人口10万人当たり502.2件で、2020年(401.6件)より約100件増。2001年の10万人当たり17.7件から増加し続けている。統計庁は「児童虐待の件数は児童虐待被害の通報件数で集計されているため、実際の虐待件数が増加したのか、通報件数の増加なのかは明確ではない」と説明した。

 1人当たりの国民総所得(GNI)は小幅に改善したが、家計負債は悪化していた。2021年の1人当たりの国民総所得は3949万ウォン(約408万円)で、前年より179万ウォン増加した。しかし可処分所得に対する家計負債総額の比率を示す家計負債比率は、2021年は206.5%で前年より8.7%ポイント上昇。韓国の世帯の家計負債比率は2008年には138.5%だったが、その後の13年間で高まり続けている。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1080403.html韓国語原文入力:2023-02-20 12:00
訳D.K

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