福山雅治、平和を歌う「相当覚悟」 福原遥&水上恒司W主演「あの花が咲く丘で―」主題歌書き下ろし

スポーツ報知
バラードの主題歌「想望」を書き下ろした福山雅治

 歌手で俳優の福山雅治(54)が、福原遥(25)、水上恒司(24)のダブル主演映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(12月8日公開、成田洋一監督)の主題歌「想望(そうぼう)」を書き下ろした。「いま、日々を生きていることの幸せ」を描いた壮大なバラード。このほど取材に応じた福山が、楽曲に込めた思いを語った。

 汐見夏衛氏の同名小説が原作。現代の女子高生・百合(福原)は戦時中の1945年6月にタイムスリップ。特攻隊員の彰(水上)の人柄や優しさにひかれて恋をするが、彰はまもなく出撃する身と知らされる。

 自身は長崎出身で学生時代の夏休みの宿題で祖父母に戦争体験を聞いて感想文を書くなど、戦争について考える機会が少なくなかった。オファーを受けた際には「このテーマを扱うのは、相当覚悟を決めてやらないといけないと思いました」と明かす。

 作品の大きなテーマとして「人が人を好きになること」が描かれる。台本を読み、本編を観賞。特攻隊員が家族や恋人に宛てた手紙にも目を通した。

 「家族のため、親のため、愛する人のため、子どものため、未来のため…。国のために(特攻に)行くんだけど、国のためだけでは飛び立てないというか。彰に関しては、百合を好きになったことで決断できたんだと思う。いま、日々を生きていることの幸せ(を守りたい)、好きな人といる日常を大事にしたいという思いをこの曲に込めました」

 20代の俳優陣の誠実な芝居にも胸を打たれたという。「本作は運命がもたらす喜びと苦しみを教えてくれます。時代という抗(あらが)えない濁流の中にのみ込まれる一滴の水のように出会った、百合と彰の運命。人々の日常を破壊する戦争という行為が、何度も繰り返されてきた時代の果てである現在。毎日帰るべき場所へ帰れることの幸せを。世代や時代を超え、この映画が多くの人に触れてもらえることを願います」と話した。(加茂 伸太郎)

 福原遥「感動して胸がギュッ」 〇…楽曲を聴いた福原は「感動して胸がギュッとなりました。百合や彰、特攻隊の気持ちが繊細に描かれ、作品を通して伝えたいことが全て詰まっているような気がします。この曲を聴きながら撮影したかったです」。水上は「まさか福山さんが曲を書いてくださるとは」と感激。「百合と出会い、ひかれ、少しずつ気持ちが変わっていく彰の心情、その全てが曲に描かれているような気がしました」とコメントした。

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