【巨人】サード・坂本勇人は原監督温めていたプラン「離脱してほしくない。ショートはハードだから」…記者が「見た」

4回2死二塁、サンタナの三ゴロをアウトにする坂本勇人(カメラ・相川 和寛)
4回2死二塁、サンタナの三ゴロをアウトにする坂本勇人(カメラ・相川 和寛)

◆JERA セ・リーグ ヤクルト2―5巨人(7日・神宮)

 巨人・坂本勇人内野手(34)がプロ17年目、通算2081試合目で初めて三塁の守備に就き、好守にダメ押し弾と大車輪の活躍を見せた。体調不良での離脱からヤクルト戦(神宮)で3試合ぶりに復帰し「5番・三塁」で先発出場。2度の守備機会をきっちりこなし、9回にはダメ押しの17号2ランを放つなどマルチ安打をマークした。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出への新布陣で4カードぶり勝ち越しを決め、勝率5割で3位・DeNAとの2差をキープした。

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 歴史が動いた。原監督が「三塁・坂本」の新布陣を決断した。練習中、神宮で三塁ノックを受ける姿を横目に「勇人は今日サード。少しいろんなことを考慮して。やっぱり彼にずっと離脱してほしくないし。ショートはハードなポジションだから」と理由を明かした。巨人担当13年目の私は、新たなストーリーの幕開けに試合前からワクワクした。

 負担の大きい遊撃で通算2045試合出場。他ポジションは08年に二塁で1試合、下半身の負傷を考慮した13年の一塁3試合のみだった。今季は6月下旬から右太もも裏肉離れで1か月離脱。12月で35歳の肉体面含め、以前から「サード坂本」プランを温め、機をうかがっていた原監督は体調不良からの復帰戦で実行した。

 実現の裏には堅守のルーキー門脇の台頭もある。遊撃は坂本依存だった昨年までと異なり、万が一があっても門脇がいる、と思える状況に底上げ。夏場に打撃も急成長して三塁・坂本を後押しした。遊撃・門脇と三遊間を組み、人生初三塁とは思えない華麗な動きを披露。存在感は絶大だった。

 自身も三塁手だった原監督は「三塁の守備は大事」とホットコーナーを重視する。今後については「そのへんは見ててください。チーム最善策という形でね。しっかりと戦ってシーズン最後の最後までということですね」。三塁・坂本で新風を吹かせた指揮官の力強い言葉に、残り20試合への決意を感じた。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)

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