若元春が新関脇で勝ち越し 現役関取最長身204センチの北青鵬をうっちゃり 八角理事長は「4人の関脇の中で一番、内容がいい」

うっちゃりで北青鵬(右)を下した若元春(カメラ・清水 武)
うっちゃりで北青鵬(右)を下した若元春(カメラ・清水 武)

◆大相撲 ▽夏場所11日目(24日、東京・両国国技館)

 若元春(荒汐)は、新鋭の東前頭11枚目・北青鵬(宮城野)を退け、新関脇で勝ち越した。立ち合いから得意の左を差すが、相手に右上手を許し、土俵中央で膠着(こうちゃく)状態に。じりじりと寄られた土俵際で、起死回生のうっちゃりで逆転した。だが、「俵を使って何かしてくると思ったのでビビって前に出られなかった。相手が覆い被さってきたので自然に出た。うっちゃりは頭に入れてなかったし、良いことではない」と反省が口をついた。

 現役関取最長身204センチとは初顔合わせ。「(長身との対戦は)想像がつかず、難しかった」。実際に対戦すると「懐が深い。大きいので四つで捕まえきれなかった」と困惑したという。ただ、幕内後半戦の藤島審判長(元大関・武双山)は「若元春としては展開が苦しかった。北青鵬もこんな負け方、初めてではないか」とたたえた。

 まだ満足はしていない。「星の並びではなく、内容で地位に合う相撲をとりたい。まだまだ足りない」と自戒を込めた。この日に国技館の相撲博物館で開かれたトークイベント後、取材に応じた師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)は、部屋での立ち振る舞いが変わったことを評価。若元春は「番付上がるとそういう思いが強くなる」と口を真一文字に結んだ。

 優勝争いもトップと2差で踏みとどまった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「4人の関脇の中で一番、内容がいい感じがしますよね」と評価する。若元春も「勉強だと思って一歩一歩進みたい」と気合を入れた。

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