三遊亭金翁さん、しめやかに通夜 相棒のター坊も“参列”

三遊亭金翁さんの通夜で遺影を前に思い出を語る次男の三遊亭金馬
三遊亭金翁さんの通夜で遺影を前に思い出を語る次男の三遊亭金馬

 8月27日に亡くなった落語家・三遊亭金翁さん(享年93)の通夜が3日、東京・代々幡斎場で営まれた。

 戒名は「観芸院噺翁龍道居士(かんげいいんしょうおうりゅうどうこじ)」。祭壇にはほほ笑む金翁さんの姿が。14年の国立演芸場カレンダーの表紙となり本人お気に入りの高座写真が遺影となった。棺には黒紋付きを着て扇子と手ぬぐいを持った金翁さんが眠り、愛用の紫の色紋付きも納められた。

 コロナ禍で近親者での通夜となったが入船亭扇遊(69)が弔問に訪れた。「住吉踊りでお世話になりました。私が馬になって(塩原太助一代記の)『青の別れ』をやったことを覚えています」。扇遊の師匠の9代目・入船亭扇橋さん(15年逝去、享年84歳)と金翁さんは仲が良く家族ぐるみの付き合いがあった。「師匠が病気で倒れた時も援助してくれました。ご恩がありましたので」と最後の別れで感謝を伝えた。

 小金馬時代の相棒の腹話術人形のター坊も“参列”。金翁さんがビアホールライオン銀座7丁目店で結婚式、真打ち昇進パーティー、銀婚式、金婚式を開催した縁で、13年からター坊は同店の名誉支配人を務めているが、“出張”して金翁さんの通夜に駆けつけた。

 次男で名跡を受け継いだ三遊亭金馬(59)は「(亡くなる)1週間前に一緒にお酒を飲めたけれど…。もう声が聞けないんだな」としんみりと語った。

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