青学大の原監督と駿河台大の徳本監督がラジオ共演「キラキラとギラギラ」

スポーツ報知
青学大・原晋監督

 第98回箱根駅伝(2、3日)で往復路を制し、総合新記録の完全優勝を飾った青学大の原晋監督が23日、中国放送のラジオ番組「ダイソースペシャル原晋のふるさとおしゃべり駅伝」にメインパーソナリティーとして出演した。同じ広島県出身で第98回箱根駅伝に初出場した駿河台大の徳本一善監督がゲストとして登場。大学駅伝界きっての個性派指揮官2人が共演した。箱根駅伝が終わった後の1月7日の夜に酒を飲みながら互いの健闘をたたえ合ったという2人は、この日も、時折、広島弁を交えながら熱く語り合った。

 第98回箱根駅伝では、青学大と駿河台大が抜群の存在感を発揮した。

 原監督が「パワフル大作戦」を発令した青学大は、往復路を制して総合新記録の完全優勝で2年ぶり6度目の栄冠に輝いた。2位の順大とは平成以降で最大の10分51秒差をつける圧勝だった。

 初出場の駿河台大も19位という結果以上のインパクトを残した。

 中学校体育教師を休職して編入学した31歳の今井隆生(4年)が4区、今井の教師時代の教え子の永井竜二(3年)が5区を担い、歴史的な師弟タスキリレーが実現。区間20位に終わった今井に対し、徳本監督は「2年間、ありがとう。謝ったらブッ飛ばす」という箱根史に残る「名言」でねぎらった。昨年10月の箱根駅伝予選会で8位通過した後、泣きながら恩師に電話する姿が話題になった「泣き虫キャプテン」阪本が箱根駅伝本戦では満面の笑みでゴールする姿は印象的だった。

 原監督は、繰り上げスタートなしで一本のタスキをつないだ駿河台大を高く評価。「初出場のチームが繰り上げスタートを避けることは大変なんですよ。よく踏ん張ったと思います。アンカーの阪本キャプテンが笑顔でゴールしたことも素晴らしかった。青学大も33年ぶりに出場した時(2009年)もアンカーが笑顔でゴールしました。未来につながるゴールだったと思います」と徳本監督をたたえた。

 徳本監督は、自身の駿河台大の選手たちを最大限にねぎらった上で、青学大の強さに最大限の敬意を表した。「うちの選手はみんなキラキラしていた。それはいいことなんですけど、青学大の選手は優勝を狙ってギラギラしていて、レース中は楽しんでキラキラしていました」と話した。

 徳本監督ならではの言葉に原監督は「素晴らしい表現ですね」と感嘆した様子で話した。

 青学大がマークした総合新記録は10時間43分42秒。19位の駿河台大は11時間13分42秒。ぴったり30分の差だった。

 徳本監督と「駿河台大もキラキラからギラギラになって、僕も原監督が見ている景色を見たいと思っています」と話すと、原監督は「いつでも来い。青学大と駿河台大が優勝争いすることを楽しみにしていますよ」と笑いながら答えた。

 「おしゃべり駅伝」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された全国都道府県対抗男子駅伝(全国男子駅伝、7区間48キロ)の代替番組として放送された。徳本監督のほか、1984年ロス五輪女子マラソン代表の増田明美さん、女子マラソン前日本記録保持者の渋井陽子さん、青学大の飯田貴之主将(4年)らがゲスト出演し「おしゃべり」のタスキをつないだ。

 例年1月下旬に広島市の平和記念公園前発着で行われる全国男子駅伝は、中学生が2区間、高校生が3区間、一般(社会人、大学生)が2区間の計7区間48キロで争われる。直近の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)で活躍した実業団ランナーや箱根駅伝で活躍した学生ランナーも多く出場。近い将来、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝で活躍することを目標とする中高生にとって、憧れの先輩ランナーとタスキをつなぐことは大きな励みとなっていた。

 しかし、コロナ禍によって2年連続で中止。徳本監督の長男、陽は群馬・東農大二高1年の実力ランナーで、今大会に出場予定だったという。徳本監督は「私は(広島・沼田高3年時に)この大会で区間2位になっていますけど、息子は私を超える走りをすると言って張り切っていたので、中止になってしまい、落胆していました」と明かした。

 原監督、徳本監督ともに来年は地元の広島で全国男子駅伝が復活することを願っていた。

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