三遊亭金翁、芸歴80周年記念で「落語が生きがい」 かつての相棒・ター坊との再会に笑顔

「三遊亭金翁芸歴80周年記念の会」で、若手時代の相棒「ター坊」と久々に再会し笑顔の三遊亭金翁@鈴本演芸場
「三遊亭金翁芸歴80周年記念の会」で、若手時代の相棒「ター坊」と久々に再会し笑顔の三遊亭金翁@鈴本演芸場

 東西の落語家で芸歴最長の三遊亭金翁(92)が30日、東京・上野の鈴本演芸場で特別興行「三遊亭金翁芸歴80周年記念の会」を行った。

 金翁はYouTubeチャンネル「金翁ロードショー」を展開していることもあり、この日は観客を入れて、有料配信も行う寄席初のハイブリッド公演となった。

 金翁は12歳で3代目・三遊亭金馬に入門。小金馬時代の1950年代に講談師・一龍齋貞鳳、3代目・江戸家猫八とNHK「お笑い三人組」で一世を風靡した。4代目・金馬として活躍も、昨年9月に長男に名跡を譲り金翁を名乗った。

 くいつきでは息子の三遊亭金馬(58)、柳家喬太郎(57)とこれまでを振り返るトーク。若い頃、ブレイクのきっかけになった腹話術での相棒「ター坊」も登場。久々の再会に笑顔を見せた。孫のホンキートンク・遊次(36)も高座に上がり、夢の3世代競演が実現した。

 トリで登場すると、「先に死んじゃうとヤダね。小三治とかね。何で自分が生きてあいつが死ぬんだと思っちゃうしね」と、自らも脳梗塞になったことを明かしながら、「景清」を30分たっぷり演じた。

 終演後取材に応じた金翁は「『ター坊』には食わせてもらった」とかつての相棒に感謝しきり。「売れるために、(寄席で)深い出番で使ってもらうために何でもやった」と振り返った。そして「気持ちが大事。何とか落語をやりたい、それが生きがいです。自分がうまいと思ったことはありませんよ」と話していた。

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