巨人の阿部2軍で、今季期待がかかる投手の一人が堀岡隼人(22)だ。
16日に行われたソフトバンクとの練習試合(サンマリン)では、8回から7番手で登板し、2イニングを1安打3三振無失点で切り抜けた。
前回の実戦だった11日の紅白戦(サンマリン)では、2イニングを4安打2四球1失点とピリッとしない内容。練習の成果を出そうと気負い過ぎての失敗だっただけに「今回はあまり考えずに思い切り投げた」ことで結果につなげた。
気負ってしまう背景には、阿部慎之助2軍監督(41)の存在がある。最初は「ピンと来なかった」助言が、ここにきてようやくわかってきたことを、指揮官に結果で示したい気持ちが強かった。
慎之助監督が堀岡にアドバイスした際のテーマは「メリハリを付けろ」。
まずは昨秋のフェニックスリーグの時に新たな球の習得を勧めた。右腕の150キロを超える直球をさらに生かすために、「スローボール」を取り入れるよう助言した。
今キャンプ初の実戦だった8日の紅白戦。剛球だけが目立つこれまでの右腕とは、ひと味違った。130キロに届くかどうかの「真っすぐ」を織り交ぜていた。
「フェニックスの時からちょっとずつ投げ始めて、このキャンプでしっかり試しているところです。スローボールなので、カコーンと打たれる可能性があるので怖いですけど、バッターの不意を突いて投げられるという感じ。投球の中でもメリハリを付けてるというところです」。
さらには、投球フォームにもメリハリを付けた。
「元々、のろのろ~っと投げていたんですけど、それをなくしたんです」。特に変わった部分は、足を上げる時。ゆっくりだったモーションがシュッと早くなった。
指揮官自らが示してくれた何パターンの動きから、自身に合うものを選んで取り入れた。「フォームにメリハリがついた方が、バッターの反応(の変化、タイミングが合いにくくなるなど)もありますけど、自分が投げている感覚も良かったです」。
昨季は12試合にリリーフ登板し、プロ初ホールドをマーク。その一方で、8月6日の阪神戦(甲子園)で、0―4の8回から登板し、満塁弾を含む4安打2四球7失点で1死しか取れず降板し、野手である増田大輝に救援をあおいだこともあった。
悔しさはマウンドで晴らすしかない。春季キャンプインの際訪れた青島神社の絵馬には、力強く「一軍定着」としたためた。
「僕は球が速いのが売りで支配下になれたと思うんで、そこはやっぱりいいところは伸ばしていかないと」と堀岡。今季はただ速いだけじゃない。慎之助監督からのアドバイスで投球術をプラスした、ニュー堀岡が見られそうだ。