嵐“21歳”デビュー記念日に無観客公演「アラフェス」配信…無人の客席7万個ペンライト

無観客ライブを配信した嵐
無観客ライブを配信した嵐

 人気グループ・嵐が“21歳”を迎えたデビュー記念日の3日、東京・国立競技場で事前収録した無観客公演「アラフェス 2020」を配信した。単独公演としては“見納め”となる可能性が高い7年ぶりの国立ライブ。2部制で計40曲のパフォーマンスほか、ライブ前のスペシャルコンテンツなど、トータルで9時間以上に及んだ。アーティストの単独公演として「こけら落とし」となった同所ステージから、歌とともに過去最大の高さ40メートルのウォーターキャノンなど、巨大空間をふんだんに生かしたド派手演出を届けた。

 活動休止前の“見納め”となる単独ライブ最後の1曲は、ファン投票でシングル部門1位に選ばれた「Turning Up」だった。歌い終えると、2500発の花火が豪快に夜空へと打ち上げられた。松本潤(37)は「それじゃ、最後に聞くぞ! 俺らの名前は何だ! みんな、言ってくれよ! せーの!」と画面の向こうのファンに呼びかけ、大型ビジョンに映し出された「ARASHI」の文字を背に、5人手をつないでフィナーレを迎えた。

 装い新たになった国立競技場で数日にわたって収録したという、この日の配信ライブ。7年ぶりの“聖地”に、松本は「懐かしいの半分、新しいところで自分たちのライブができることにグッとくる」と感慨に浸った。二宮和也(37)は「今から日本一、いや世界一のショーを見せてやるよ!」と叫んだ。

 無人の客席には7万個のペンライトを設置。5万個の風船など、すべて過去最大級という規格外のステージ。ファンクラブ会員向けの「PART1」を「5×10」で締めくくり、一般向けの「PART2」のオープニング「5×20」へとつないだ。曲目は、事前のファン投票を基に選んだが、それぞれ同じ曲は一つもなく、2部で計40曲を歌い上げた。

 昨年のNHK紅白歌合戦で同じ国立から収録歌唱した「カイト」(作詞作曲・米津玄師)歌唱時には、相葉雅紀(37)が「湧き起こるはずだった感動も興奮も熱狂も…その全部が、静寂の中に消えてしまった」。新型コロナウイルスの影響で延期になった東京五輪・パラリンピックと、5月に予定していた開閉会式のテストを兼ねた自分たちのライブができなかった悔しさをにじませた。ライブを取り巻く環境は、まだ日常を取り戻せていない。5人は「この場所から、一筋の光を届けられたら」と強く願った。

 この日の視聴数は非公表だが、動員予定だった8万人×2日間公演=16万人をはるかに超えるファンが視聴したことは確実。メンバー5人も都内で全員集まり、ライブを見届けた。直接、顔を見ることはかなわなかったが、画面の向こう側でファンと同じ時間を共有できた。

 メンバーも見据える画面の向こうでは、5人は「またね!」「また会いましょう!」とそれぞれ口に、晴れ晴れとした笑顔でステージを下りた。00年4月6日の大阪城ホールでの初ライブから20年で525回ステージに立ち、延べ1400万人以上を魅了してきた国民的グループはこの日に526、527公演を終え、2か月後に活動休止する。だが、ファンとの再会は、しっかりと約束した。

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