志村けんさん代役に沢田研二…来年公開映画「キネマの神様」

スポーツ報知
親交のあった沢田研二

 志村けんさん(享年70)が3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で死去して16日で四十九日を迎える。志村さんが出演辞退した映画「キネマの神様」(山田洋次監督、来年公開)の代役を歌手の沢田研二(71)が務めることが15日、明らかになった。「8時だョ!全員集合」で共演するなど約50年、親交のあった志村さんの遺志を継ぐジュリーは「幸福のスイッチ」(2006年)以来、15年ぶりの映画出演となる。

 注目されていた志村さんの代役は「―全員集合」や「ドリフ大爆笑」のコントで名コンビだったジュリーこと沢田に決まった。志村さんがドリフターズに加入する前から半世紀の親交がある盟友の沢田は「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です」と強い決意で臨む。

 松竹映画100周年の記念作で、原作は原田マハ氏の同名小説。沢田はギャンブルに明け暮れ、家族に見放されながらも映画を愛してやまない主人公・ゴウを演じる。若き日のゴウ役を務める俳優の菅田将暉(27)と2人1役のダブル主演。新型コロナウイルスにより志村さんを失い、緊急事態宣言の発令により撮影もストップしているが、代役が決まり再開に向けて動き出した。公開は当初、12月の予定だったが、来年へ延期になった。

 本業は歌手だが、芝居経験も豊富でコメディーセンスにも定評がある沢田。「―全員集合」では、志村さんと息の合ったコントを度々披露していた2人の関係性から白羽の矢が立った。

 山田監督作品は妻となる田中裕子(65)と共演した「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(1982年)以来、39年ぶり。山田監督は「志村さんとは違うゴウちゃん。沢田研二さんならば、別なゴウちゃんの魅力を引き出してくれると確信しています」と信頼を寄せる。

 沢田が演じる役柄について房(ふさ)俊介プロデューサーは「人生のおかしさや哀(かな)しみ、夢や挫折を背負い、繊細な狂気をまとった主人公」と説明。「周りを包み込む温かい色気、唯一無二の感性を持ち合わせた沢田研二さんと、新たな『キネマの神様』を描いていきたいと思います」と意欲を見せている。

 志村さんの所属事務所「イザワオフィス」の井澤健社長は「長年親交のあった沢田研二さんがご出演されると聞き、志村けんも大変喜んでいると思います。作品の完成を心待ちにしております」とコメント。天国にいる志村さんの気持ちを代弁し、沢田にエールを送った。

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