2021.05.14
# ドラマ

独占告白!『渡る世間は鬼ばかり』プロデューサーが選んだ幕引き「もう終わりにします」

橋田壽賀子さんの逝去を語る

石井ふく子さん(94)がプロデュースし、4月に逝去した橋田壽賀子さん(享年95)が脚本を書いてきた『渡る世間は鬼ばかり(以下『渡鬼』)』(TBS)が、放送開始から約30年で終了することが分かった。石井さんが取材に対し、明らかにした。

「もう終わりにします」(石井さん、以下同)

脚本家が他界したり、何らかの事情で執筆の継続が出来なくなったりした場合、違う人が引き継ぐことがよくあるが、石井さんはその選択肢を選ばない。

「(脚本家の後任を立てるのは)橋田さんが嫌がっていたことですので。なにより、2人でつくり上げたドラマですから」

BS-TBS HPより

石井さんと橋田さんの間では次回作の構想も練られていたものの、これは白紙になる。結果的に2019年9月に放送されたスペシャル版が最終作に。これが橋田さんの遺作にもなった。

『渡鬼』第1シリーズが放送されたのは1990年10月からの1年間。本当はこの1作だけで終わる予定だった。

けれど全48回の平均世帯視聴率が予想を超える18.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)に達したため、1993年4月から再び1年間の第2シリーズを放送されることに。これも全49回の平均視聴率が23.8%に達した。

以後、高視聴率に後押しされる形でシリーズは重ねられ、2010年の最終シリーズ(第10シリーズ)まで連続ドラマ版が放送された。

橋田壽賀子さん 写真/講談社写真資料室
 

連ドラ終了後も2019年まで1年に約1回のペースで計10作のスペシャル版が放送され続けた。通算511話。空前のロングラン作品だった。

「長い間、皆さんがやさしく見つめて下さったから30年続いたのだと思います。本当にありがとうございました」

関連記事