アピチャッポン、コロンビア撮影の新作「メモリア」ステートメントとイメージを公開

2018年8月26日 20:30


特集上映「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018」の関連企画
特集上映「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018」の関連企画

[映画.com ニュース]アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の特集上映「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018」の関連企画として、「映画・美術・舞台 様々な角度からアピチャッポンについて語る」と題したクロストークイベントが8月23日開催された。

アピチャッポンの舞台作品「フィーバー・ルーム」を上演したTPAMディレクターの丸岡ひろみ氏、アピチャッポンについて研究している神戸大学の中村紀彦氏、マシュー・バーニーの映像作品なども手がけ、アピチャッポンのエージェント、トモ・スズキ・ジャパンの鈴木朋幸氏、美術家のヴィヴィアン佐藤氏、そして東京フィルメックスのプログラムディレクターの市山尚三氏が出席し、それぞれの分野からの視点でアピチャッポンの作品群について語った。森美術館での展示「MAMプロジェクト025:アピチャッポン・ウィーラセタクン+久門剛史」で来日中のアピチャッポン本人からのビデオメッセージも公開された。

また、2019年よりコロンビアで撮影される新作「メモリア」の、ステートメントと、現地でのリサーチ写真が公開された。

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ステートメントには「子供の頃、僕はジャングル、動物、山に惹きよせられていました。 70年代には、失われた文明の宝物を探すハンターについての小説を読んで育ちました。しかし、タイには、黄金の古代帝国も、首狩り族も、アナコンダも存在しません。小説の作者は、実際には、植民地時代のアマゾニア発見をロマンティックにした西洋の物語に触発されて書いたのです。 それから40年が経って、僕はいまだに、そうした風景に惹かれていますが、その風景は今、他の物語のレイヤーに覆われています。僕はラテンアメリカの歴史に魅了されているのです。それがまるで、僕の青年時代の失われた欠片であるかのように。過去数年間、僕は山々の後ろに隠れている生物について学びました。アマゾニアの黄金ではなく、表現と記憶を収集するために、僕はコロンビアに来たのです」とあり、リサーチ写真には緑深い山間が映されている。

映画は、アピチャッポン自身が経験している、幻覚と「頭内爆発音症候群(Exploding head syndrome)」と呼ばれる症状を持つ人物の物語で、ティルダ・スウィントンが出演し、2020年の完成が予定されている。

世紀の光」(2006)、「ブンミおじさんの森」(10)、「光りの墓」(15)の3作を上映する特集「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018」は、9月7日までシアター・イメージフォーラムで開催。

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タイ映画として初めてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「ブンミおじさんの森」で知られるアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の長編作品。

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