人気の食品は地域によって千差万別。炭酸飲料は暑い地域でなく、東北や北海道など寒冷地が上位だ (※写真はイメージ)
人気の食品は地域によって千差万別。炭酸飲料は暑い地域でなく、東北や北海道など寒冷地が上位だ (※写真はイメージ)

 浜松のうなぎや水戸の納豆など、地域によって異なる食文化。生産地と結びついているのであれば分かりやすいが、必ずしもそうではないようだ。

 なぜ1位か、理由がよくわからない品もある。その一つはカレールーの鳥取市。もっとも、地元では町おこしに生かしている。

 鳥取カレー研究所の池本百代・代表によると、05年ごろからカレー日本一のPRに力を入れている。らっきょう産地のうえ、作り置きできる利便性が地元の女性に受け、日本一になっているのではとみる。地元ではりんごでなく、特産の梨を入れる梨カレーもある。

 ちなみに、鳥取1区選出の石破茂衆院議員の得意料理はカレー。「大学時代は4年間食べつづけた」ほどのカレー好きだという。

 炭酸飲料は暑い地域でなく、東北や北海道など寒冷地が上位。『出身県でわかる人の性格』などの著書がある出版プロデューサー、岩中祥史さん(66)と『都道府県別ヒット商品の法則』などの著書があり、県民性に詳しい矢野新一さん(68)がそろって口にするのは、北海道の地サイダー、ガラナの存在だ。

「コカ・コーラの日本進出対抗のため、国内の中小メーカーが結束して開発したのがガラナ。本州よりコーラの進出が遅れたため、北海道ではガラナが定着しました。暖房の利いた部屋で短パン半袖姿で過ごす生活も、炭酸飲料とマッチするのでしょう」(矢野さん)

 全国平均でみると、冬場の炭酸飲料購入額は夏場より落ちる。一方で、札幌市では7~8月も12月も大差なく、よく飲まれている。

 炭酸飲料1位の青森市はカップ麺でも日本一になっている。岩中さんは言う。「冬場は雪深くて外食しにくいため、重宝されるようです。青森ではビジネスホテルに常備されたり、献血の粗品になったり。カップ麺の存在感があります」

 意外なトップは、にんじんの那覇市。その事実を知らない県民も少なくない。

 沖縄県庁の統計担当者に尋ねると、「専門的に分析したわけではないですが」としたうえで、「『にんじんしりしり』の影響ではないか」と教えてくれた。

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