消費社会と雑貨 : 1980年代、雑誌『オリーブ』の分析を通じて

書誌事項

タイトル別名
  • ショウヒ シャカイ ト ザッカ : 1980ネンダイ 、 ザッシ 『 オリーブ 』 ノ ブンセキ オ ツウジテ
  • The Value of "Zakka" in a Consumer Society : An Analysis of Olive Magazines in the 1980's
  • ショウヒシャカイ ト ザッカ : 1890ネンダイ ザッシ オリーブ ノ ブンセキ オ ツウジテ

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抄録

現代社会において、「自分らしさ」の表示や自己形成は無数に存在する商品をいかに取捨選択するかといった消費行動と大きく関係している。アンジェラ・マクロビーらは、少女たちが自分の部屋や身体といった私的領域を雑多なアイテムによって装飾することを通じて独自の文化を形成していく様子について言及しているが、その際に注目されたものの1 つが「雑貨」である。購入しやすく、所有しやすいという特徴を持つ雑貨は、「自分らしさ」を表現する上で容易に選択することができる消費対象として位置付けられる。本稿は、雑誌『オリーブ』における雑貨の取り上げられ方を考察することで、少女たちの自己形成と消費行動との関係について論じたものである。誌面のなかで「おしゃれ小物(おしゃれ生活小物)」として取り上げられる雑貨は、『オリーブ』が80 年代に「リセエンヌ」なる少女像を通して積極的に提案していた「チープ・シック」というスタイルを象徴するものとして位置付けられていた。そしてそれは、『オリーブ』の主要な読者層である中高生の女子という経済的に自立する前段階の「少女」という状況下と結びついた価値の創出でもあったのだ。

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