DNAマーカーを利用した日本に現存するウルシ林の遺伝的多様性評価

  • 渡辺 敦史
    九州大学大学院農学研究院
  • 田村 美帆
    九州大学大学院農学研究院
  • 泉 湧一郎
    九州大学大学院生物資源環境科学府
  • 山口 莉未
    九州大学大学院生物資源環境科学府
  • 井城 泰一
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター東北育種場
  • 田端 雅進
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Genetic Diversity of <i>Toxicodendron vernicifluum</i> Planted in Japan Using EST-SSR and Genetic SSR Markers
  • DNA マーカー オ リヨウ シタ ニホン ニ ゲンソン スル ウルシリン ノ イデンテキ タヨウセイ ヒョウカ

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抄録

<p>二つのDNAマーカー,EST-SSRマーカーとgenomic SSRマーカーを利用してウルシ林の多様性評価を行った。EST-SSRマーカーは次世代シーケンサーを利用して新たに開発した。得られたEST情報から2塩基または3塩基モチーフの一定繰り返し数以上を示した21領域にプライマーを設計した結果,最終的に8マーカーが利用可能であった。8 EST-SSRマーカーおよび7 genomic SSRマーカーを利用して,全国各地のウルシ林9集団から採取した377個体を対象として分析した。ウルシは,渡来種であり,クローン増殖が容易であることから遺伝的多様性の喪失が懸念されたが,遺伝的多様性は近縁種であるハゼノキよりもやや高く,著しい喪失は認められなかった。クラスター分析・主座標分析・STRUCTURE分析の結果は,集団によっては特異性が維持されていることを示す一方で,種苗が移動したことによる集団内の遺伝構造の存在を示していた。クローンの存在や小集団化に伴うボトルネックは限定的であり,現在のウルシ林を適切に保存すれば,ウルシ遺伝資源は維持できると考えられる。</p>

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参考文献 (25)*注記

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