銭匁勘定と銭遣い : 江戸期幣制の特色を再検討する

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タイトル別名
  • Was the Zeni Tsukai (copper usage as a unit of account) prevalent in western Japan in the latter half of the Edo period?
  • センメ カンジョウ ト ゼニ ツカイ : エドキ ヘイセイ ノ トクショク オ サイケントウ スル
  • ゼニ モンメ カンジョウ ト ゼニ ツカイ エドキ ヘイセイ ノ トクショク オ サイケントウ スル

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抄録

江戸時代後期、西日本や東北日本においては銭貨が価値基準に利用される「銭遣い」経済圏が成立していたという仮説が提示されている。しかし、この仮説の妥当性について検証されることはほとんどなく、通説として受け入れられるまでには至っていない。本稿は、西南日本地方で普及していた銭匁勘定の意味合い等について江戸期幣制というマクロ経済的な枠組みとの関連で検討のうえ、この問題に対する回答を導くことを狙いとする。そして、銭匁勘定は銀貨不足を契機として江戸期幣制が貶質するなかで、価値の安定した価値基準および交換手段の確立を目指して地域的に成立した支払決済慣行と捉えることができるという結論に達した。加えて、西日本地方の大名領国では「銭遣い」経済圏が成立する一方で、領外取引は引き続き銀貨で決済されるなど、貨幣の使用に関しては二層構造の下にあったこと明らかになった。

収録刊行物

  • 經濟學論叢

    經濟學論叢 61 (1), 19-60, 2009-07-20

    同志社大學經濟學會

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