水分貯留・不足時の管理と注意点

  • 平手 博之
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
  • 笹野 寛
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
  • 藤田 義人
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
  • 伊藤 彰師
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
  • 薊 隆文
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
  • 杉浦 健之
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野
  • 祖父江 和哉
    名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・危機管理医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Managing sodium concentration in relation to water balance and correcting dysnatremias

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抄録

血清ナトリウム異常は単にナトリウムの過不足をあらわしているのではなく、水に対する相対的な変化をあらわしている。ナトリウムの動態は水の移動に連動している。ナトリウム濃度異常を管理するに際しては体内水分量過不足の評価、体内総ナトリウム量の評価、血漿浸透圧、尿中ナトリウム濃度などを手がかりにして動態を理解する必要がある。中枢神経症状がみられるような重篤な濃度異常は補正を必要とするが、原疾患に対する治療に加え、ナトリウムの絶対量の増減、水分増減の関係をもとに、高張塩化ナトリウム液、生理食塩水、0.45%塩化ナトリウム液、5%糖液、水制限、利尿剤などを組み合わせ、急激な補正自体も重篤な神経系合併症を発症するリスクを伴う事を念頭に置き、適度な速度と十分なモニタリング下に適切な補正管理をおこなうことが重要である。

収録刊行物

  • 静脈経腸栄養

    静脈経腸栄養 24 (3), 769-774, 2009

    日本静脈経腸栄養学会

参考文献 (11)*注記

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