【上】休校式で校歌を合唱する児童ら【下】揚げパンなど給食の定番メニューに舌鼓を打つ卒業生ら=いずれも徳島市の飯谷小学校

【上】休校式で校歌を合唱する児童ら【下】揚げパンなど給食の定番メニューに舌鼓を打つ卒業生ら=いずれも徳島市の飯谷小学校

 143年の歴史がある徳島市の飯谷小学校で20日、休校式があり、児童や地域住民が校舎に別れを告げた。歴代の卒業生や教員らが教室に集い「感謝祭」も行われ、一緒に給食を食べたり、展示された懐かしい集合写真に見入ったりしながら、学びやの思い出を振り返った。

 休校式には児童6人のほか、保護者や卒業生ら約250人が出席した。体育館の舞台に写真を映し出し、児童一人一人がオープンスクールや運動会など、地域ぐるみで行われた本年度の活動を発表。「地域の人が優しく、素晴らしい環境で多くのことを学びました。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べると、会場から大きな拍手が送られ、目頭を押さえる人もいた。

 児童によるエイサーの演舞があり、最後は出席者全員で校歌を歌った。4年の平岡小麦さん(9)は「卒業まで過ごしたかったけど、たくさんの思い出ができてよかった」と話した。

 感謝祭には、卒業生ら約180人が参加。年代ごとに分かれて、木造校舎の廊下の雑巾掛けや、近くを流れる勝浦川での水泳といった思い出話に花を咲かせた。

 昼食には、クジラの揚げ物や揚げパンなど、かつての給食の定番メニューが登場。卒業生は歓声を上げ、教室には笑顔があふれた。

 母校への思いを書き込んだカードを貼り合わせた記念アートも制作。「楽しい思い出をありがとう」「決して忘れません」などの言葉がしたためられた。

 運営に携わった1997年卒業の住友真美さん(31)=同市多家良町、会社員=は「節目の日に、幅広い年代の人たちが集まってくれてうれしい。楽しく、忘れられない一日になりました」と語った。

 飯谷小は1873(明治6)年創立で、2261人の卒業生を送り出した。在校生は4月から宮井小に通う。