「読者の方にポーズ? こんな感じですかね」。カメラマンの要求に応えようと両手でレンズを指さしたり、元気さを表現しようとして謎の構えを繰り出す…。ムチャぶりにも真摯に対応する姿に、どんな役もこなす秘密を垣間見た気がした。
「越路吹雪物語」は、宝塚のトップスターとして活躍後、シャンソンの女王として輝いた越路吹雪さんの一代記。木南は、瀧本美織(26)扮する越路さんの盟友で作詞家、岩谷時子さんの青年期を演じている。
「宝塚は私が女優を目指すきっかけになったもの。思い出の地でもあるのでうれしいです」
大阪府出身の木南は幼稚園のころに、当時、天海祐希(50)がオスカル役を務めた「ベルサイユのばら」を見てファンに。岩谷さんが宝塚の出版部時代に担当していた「歌劇」を愛読していただけに今回の大役に運命を感じている。
劇中では越路さんをサポートする役だが、撮影が進むにつれて瀧本自身を支えたいという思いが強くなったと明かし、「見ているだけで満たされた気分になったので、少しは岩谷さんの気持ちに近づけたのかな」と充実感をにじませた。
宝塚を目指していた木南は、成長とともに女優への思いを強く抱く。2001年に「夏の高校野球PR女子高生」として活動。そこでテレビの仕事の楽しさを実感し、同年に受けた所属事務所のオーディションでグランプリに輝いた。